秋・害虫の少ない季節に大根を栽培

トンネル栽培で無農薬なら葉も食べることが可能


家庭菜園での大根栽培は、一年中行うことが出来ます。秋に種を蒔く秋大根に春に種を蒔いて育てる春大根。季節だけでなく色や形も多種多様で、さまざまな品種があるのが特徴です。秋から冬に掛けて栽培する大根はトンネル栽培で超楽ちんです。

 

 

通常の細長いものからカブのように丸い大根、そして小さくスティック状のミニ大根、辛味の強い辛味大根などなど種類が豊富です。普通の青首大根だけでなく珍しい品種を育ててみることが出来るのも家庭菜園の楽しいところですよね。

今回栽培を開始したのは、秋植えの青首大根です。一年中栽培出来る野菜とはいえ大根が美味しく季節的に必要な栄養素がしっかり含まれる冬に大根を食べることは、健康の為には非常に有効だと感じています。

大根栽培に関して言えば、栽培に最も大切なのは、植えたい季節に合った品種の種を購入することといえます。

よくよく考えてみると夏も冬も大根は必ず八百屋さんやスーパーの店頭に並んでいますよね。

2018年の秋は、夏野菜が終わった畑を利用して初めての大根栽培にチャレンジしました。

以前、実の大きさが3センチから5センチのミニ大根をプランターで育てたことがあります。暖かい時期だったこともあり、防虫の不織布のシートを掛けても害虫(蝶の幼虫)の餌食になり苦戦を強いられた苦い経験があります。

家庭菜園を行う上で害虫は切っても切れない問題ですが、せっかく栽培するなら安心で経済的に無農薬で栽培したいですよね。

 

 

今回は秋から冬に掛けての大根栽培なので、蝶の幼虫の食害は少ないのではないかと軽い気持ちで大根栽培をスタートしました。

購入した種は秋に蒔く青首大根の種です。春にスタートしたい場合は、袋をよく見て春蒔きと書かれている種を選びましょう。

秋の大根栽培の期間は約90日と短めです。秋10月にスタートすれば翌年の1月から2月には収穫が出来る計算になります。寒さの底になる季節に大根が収穫出来れば、さまざまな料理に利用出来て楽しみですよね。

更に自宅で栽培すれば、葉も食べることが可能です。大根に含まれる栄養素をしっかりたっぷり摂れるのもお店では買うことが出来ない楽しみです。

大根栽培でまず注意すべきポイントは、夏野菜のトマトなどと同じように連作障害があることです。トマトはナス科ですが、大根はアブラナ科の植物です。キャベツやコマツナ、チンゲンサイ、ハクサイ、ブロッコリー、カブなどの野菜です。

カブと大根が同じ仲間なのは何となく理解出来ますが、コマツナやキャベツも同じ仲間というのはわかりにくいですが、コマツナの花は、大根の花にそっくりです。また、アブラナ科の植物を食害する害虫もモンシロチョウの仲間の子供であるアオムシと言うことを考え合わせれば、頷ける気がします。

春先などキャベツの仲間の野菜や植物には、モンシロチョウが卵を産み付けるのは小学校の教科書で見たような気がします。

 

 

暖かい季節に栽培する大根にもアオムシが付きやすいので注意が必要なのです。要はモンシロチョウの幼虫は、アブラナ科の植物を食害すると言うことです。柑橘系の果樹には、アゲハチョウの幼虫が付くのと同じですよね。蝶の幼虫は食べる植物が大体決まっています。

大根栽培では、アブラナ科の連作を避ける

大根栽培を行う場合の注意点は同じ畑でアブラナ科の植物をしばらく栽培していないことを確認しましょう。我が家の畑は、夏にトマトを栽培した畑です。大根などのアブラナ科の植物は栽培していません。

また、夏にトマトを栽培した時にトマトの連作障害を防ぐために土壌改良をしています。家庭菜園では畑も続けて使うことが多くなりますので、腐葉土や完熟牛ふん堆肥などの資材を使う土壌改良の知識を身に着けて置くことがポイントです。

夏にキャベツを栽培した畑であれば、土を入れ替えるなどの工夫が必要です。出来れば違う場所で栽培する方が手っ取り早いと思います。

大根栽培の土作りは柔らかい土壌をつくる

大根栽培で使用する畑の土はしっかり耕し柔らかい状態にします。また土の中にある小石やゴミもしっかり取り除くようにしましょう。上の写真は篩った土に牡蠣殻石灰を施して混ぜているところです。

土壌の中に異物や硬いものがあると大根の生長過程で根に硬いものが衝突して根が二股に分かれてしまったり、大根が曲がったりするからです。

真っ直ぐな大根を収穫するためには土を柔らかくしておく必要があるのです。私も今回は畑の土の中の小石などを篩(ふるい)などを使い取り除きました。畑の土には意外と小さい石などが混ざっているものです。

 

 

トマトやキュウリを育てるときはあまり気にしていなかったのですが、自作した腐葉土の材料の枯れ葉などに混ざって小石が紛れ込んでいるようです。大根は白く柔らかい根の野菜なので土も優しく柔らかいものを好むのです。

畑をしっかり耕したら苦土石灰牡蠣殻石灰を入れて土のpHを整えます。更に元肥のための化成肥料と完熟堆肥を与えます。化成肥料は緩効性肥料であれば家にあるもので大丈夫でしょう。私は、緩効性肥料のマグアンプKとアイリスオーヤマの完熟牛糞堆肥を入れました。

元肥(もとごえ)とは、畑で作物を栽培をする時にはじめに土に施す肥料のことです。ほとんどの野菜栽培では元肥を入れます。畑の土に元肥となる化成肥料と堆肥が入ったら土の準備は完了です。

畑の他に用意するものは?

大根栽培なので、もちろん大根の種を購入し用意します。また、畑用の不織布シートとトンネル支柱、ビニール製の黒マルチを用意します。

畑用の不織布シートとは、畑の作物を寒さや害虫から守る為に使う通気性のある薄いシートのことです。

ホームセンターなどで購入出来ます。狭い家庭菜園の畑ならダイソーで購入してもサイズ的に問題はありません。トンネル栽培なので実際の畑のサイズより幅の広いサイズを購入しましょう。

トンネル支柱は100円ショップでもホームセンターでも購入出来ますが、大根栽培に使用するので大きめのものが良いでしょう。

黒いビニールマルチもホームセンターなどで購入出来ます。マルチを使うのは雑草が生えるのを防ぐのと大根の根を霜などから守るためです。黒いビニールマルチには地温を温かく保つ効果があります。

 

 

トンネル支柱などの資材を購入する際は、家庭菜園の畑のサイズを計ってから購入しましょう。わからない場合は畑のサイズを紙に書いてホームセンターで相談すると良いでしょう。

トンネル栽培の不織布シートを買う場合、支柱で畑自体が立体的になるので畑の幅✕3.14÷2で必要な不織布シートの幅の計算が出来ます。

しかし、トンネル支柱は正円ではないのとおさえる部分が必要なので、少し大きめのサイズを購入しておくことをおすすめします。

家庭菜園の場合は寸法もさまざまなので、意外と規格外のことがあります。大きすぎたり小さすぎたりと悩ましいところですが、ダイソーなどの100円ショップを上手く利用すると安上がりに済みますよ。

私は、トンネル支柱はホームセンターのコーナンで購入して、不織布シートはダイソーで購入しました。

トンネル栽培の資材が用意出来たら

秋にスタートする大根栽培に必要な資材が用意出来たら栽培のスタートです。畑に戻り畝を立てましょう。畝(うね)とは畑の土を盛り上げて土の表面積を増やし日当たりを確保したり、排水を良くする為に立てるものです。

畝を立てると言っても土を直線的に山にすると言った方がわかりやすいですよね。よく畑で見かける光景です。畝の立て方は、植物によっていろいろなやり方があります。

家庭菜園なのでスペースの問題もあり、約30センチの高さの畝を立て更に25センチ間隔で種を蒔くことにしました。

畝を立てることが出来たら、種を蒔く前にビニール黒マルチのシートを畑の上に広げてシートの端に土をのせて重しをします。スペースが無い場合は太めの支柱などビニールマルチが外れないように置いてください。私はいつも大きめの丸い石を重しにしています。

家庭菜園なのでマニュアル通りにいかなくても、そこにあるもので工夫をして栽培すれば良いのです。出来るだけお庭の事情に合わせて行いましょう。

いよいよ大根の種蒔きをします

畝のてっぺんに25センチ間隔で丸い穴を開けました。ちょうど缶ビールの缶くらいのサイズの円の穴をハサミで切り抜きます。

ビニール黒マルチの上から空き缶などを上から押し当てると輪っかの跡がつくのでそれに沿って切るだけです。切れ味の良いハサミを使うと簡単に植え穴を作ることが出来ます。

作った植え穴に軽く水を入れてから、大根の種を4個づつ置いて行きます。植え穴に水を入れると土が柔らかいので畝が崩れて穴が開くことがあります。その場合は、培養土などを足してください。

最初は、一個の穴に4個の種を蒔いていきます。種を蒔いたら軽く土を被せて終了です。

種を4個蒔くのは、発芽したら生長の良し悪しを見て間引きをするためです。なので最初は4個の種を蒔きます。これで種蒔きは終了です。

トンネル栽培のためのトンネル支柱を設置

畑のサイズにもよりますが、我が家の畑のサイズは約畳一枚分ほどの大きさなので、トンネル支柱は3本使用することにしました。

トンネル支柱を使った畑での栽培ははじめてなのでちょっとやり方が不安でしたが、洗濯バサミを上手く利用してなんとか設置出来ました。

本来ならビニール黒マルチ同様、不織布ネットの周りに畑の土を掛けておさえたり、両サイドを紐で括ったりするのが基本ですが、花壇のような体裁の畑なので余分なスペースがありません。洗濯バサミやレンガを使い工夫して設置することが出来ました。

大根の種を蒔いた10月半ばは、未だ気温が高く害虫の心配がありました。また蒔いた種をそのままにしているとせっかく発芽しても鳥の餌食になりかねないので種を蒔いたら必ずすぐにトンネル支柱と不織布シートを使いトンネル栽培の設備を設置しましょう。

大根の種は4~5日ほどで発芽、一回目の間引き

全体的に発芽したことを確認できたら出た芽の生長の様子を確認して間引きをしましょう。

種蒔きから発芽までは非常に短いです。あっという間に芽がでます。何となくカイワレ大根のような感じです。大根は発芽をしても生長が悪かったり葉がいびつだったりと小さな状態でも生長にばらつきがあります。

まず一回目の間引きでは、4個のうちの2個を抜き取りましょう。生えている場所が極端に悪かったり、葉の色も見て判断します。

狭い場所に4個の二葉が出ているのでくれぐれも間引かない大根の芽や根を傷つけないように慎重に間引きをしましょう。

種蒔きから4週間後に二回目の間引き

栽培している地域や環境にもよると考えられますが、我が家の場合は種蒔きをして4週間後に二回目の間引きを行いました。

大根の生長の様子は、二葉から本葉が発芽して大根の葉っぱらしくなって来たところです。この頃から何かに食われた葉が出現し始めました。

不織布シートを掛けているトンネル栽培なので飛んできた害虫の可能性は低いです。犯人は多分ナメクジだと思われます。東京の11月はまだまだナメクジの活動する気温なのです。

トンネル栽培をしていても、ナメクジは隙間を見つけて侵入して来ます。一先ず、畑の周りにオルトラン粒剤を散布しました。大根の畑の中には散布しなくても周りに軽く散布するだけでも効果があります。

更に畑に使っているレンガの裏などをチェックして駆除することにしました。しかし駆除できたのは一匹だけでした。しばらく様子を見ることにしました。出来るだけ夜に懐中電灯を使って見回りをすることでも被害を減らすことが可能です。

何かに食われていると感じた場合は夜にチェックすることをおすすめします。因みにナメクジは夜行性です。

大根も葉を茂らすことで生長の栄養を作り出しますので葉は大切にして栽培することは言うまでもありません。徐々に気温が下がり夜間もナメクジを見かけることが減りました。

間引きから2週間後・土寄せと追肥作業

12月に入っても暖冬の続く東京です。間引きをして一本立ちにした大根は徐々にではありますが確実に大きくなりました。少し弱々しいですが本格的に寒くなる前に土寄せと追肥をすることにしました。

土寄せと言っても狭い畑なので寄せる土がありません。他の場所から畑の土を用意して運び大根の畑に追加投入することにしました。

篩に掛けて牡蠣殻石灰を混ぜ、更にマグアンプKバットグアノを混ぜた土を大根の苗の根本に入れ畝の側面にも土と肥料を追加して畝を強化しました。ビニール黒マルチを少し持ち上げて作業をしたのですが、大根の葉っぱが邪魔をしてちょっと作業がし辛い感じでした。

ビニール黒マルチを外すと畝に大根の細い根っこが張り出しているのが見えました。しっかりと生長しているようで嬉しい感じがしました。

土寄せと追肥作業を終えて再びビニール黒マルチを元に戻して作業は終了しました。

寒さが厳しくなり木枯らしが吹く季節が近づいたことを考慮して、トンネル支柱を一本増やし4本にして不織布シートを掛けてすべての作業を終えました。

家庭菜園・秋の大根栽培の3ポイント

①畑の土を良く耕し柔らかい土を使う

②畑の栽培履歴を考え連作障害を防ぐ工夫をする

③トンネル支柱を使い不織布シートでトンネル栽培をする

追肥と土寄せから一週間後

追肥と土寄せの日から全国的に気温が上がりました。東京でも23度を記録して小春日和が2〜3日続きました。

土寄せと追肥を終えた大根畑は、一気に元気になり株がひと回り大きくなったように見えます。何よりも根本がしっかりした気がします。

ここ数日は、朝から強い雨が降る日や曇って寒い日も増えました。大根はこのまま生長して行くと思われますが、一先ず大根栽培の半ばを過ぎて記事にしました。

小春日和から一転して最高気温も最低気温も一桁に突入しました。暖かい秋から冬、そして真冬の季節を迎え更に寒さも厳しくなると思われます。冬至まであと10日前後です。このまま元気に大根が育ってくれることを願っています。

今回も同時進行で徐々に記事にして行きますのでよろしくお願いします。長文をお読みくださいましてありがとうございます。♡香


 

 

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