2018年・猛暑の家庭菜園でのトマト栽培
敵は連作障害だけではない?猛暑に勝つ!栽培法
この数年続く暑すぎる夏、今夏も猛暑を迎えています。夏といえばトマト栽培が楽しみな季節ですよね。夏のトマトの収穫を楽しみにしながら秋から冬、そして春に掛けて準備を進めるのが毎年の恒例行事になっている方も多いのではないでしょうか?
私も春からトマトの種を播いて発芽をさせ大切に良い苗を作ろうと頑張ってきました。例年に習い3月に種を播いて自作の温床でトマトの発芽を促しました。
しかし、2018年の3月から既に異常気象が始まっていたとこの記事を書きながら感じています。思えばサクラも開花が非常に早かったですよね。
通常、寒い季節から暖かい季節へと移り変わる時、人はあまり警戒しないものです。待ちに待った暖かい春の季節がやってくると考えれば嬉しいですよね。
でも家庭菜園をすると考えると季節外れの気温上昇や急な天候の変化はせっかく立てたプランを台無しにしてしまいます。そして思いもよらない事故を起こす引き金になるのです。
植物は季節ごとに生長の過程が決まっています。育てる地域にもよりますが、辛く寒い季節も暖かく楽しい季節もそして暑い季節も植物の生長過程に影響します。
幾ら暖かい方が育つと言っても過剰な暑さが春に続けば旨く生長しないと言うことです。更に寒ければ動かない害虫も気温上昇に伴い早めに出現します。
厳しい2018年トマト栽培のはじまり
正直に書くと、2018年のトマトの苗作りは失敗しました。発芽をして温床から出した途端に苗の生長に悪影響が出る事態が発生したのです。
先ず4月から非常に暑い日が続いたことと高温に影響され害虫の発生が早かったと言ったところでしょうか。
例年ならまだ居ないはずの害虫が弱い新芽に取り付き食害されたのです。まだ小さいトマトの苗はかなりダメージを受けました。当たり前ですが植物は葉っぱが弱ると生長出来ません。ましてや小さい苗が葉を失うということはかなり後の生長に問題が起こります。
トマトの種を播き直すなどいろいろと思案しましたが、種を播き直して旨く行くのか?非常に悩みました。
ひとまず土作りを先に行うことにした
昨年もトマトを栽培した畑を使う予定で考えていました。2018年は連作障害の対策をどうするか?考えてはいたもののなかなか時間が取れず腐葉土も作っていなかったので困りました。
手持ちの腐葉土をかき集めても昨年の三分の一程度しかありませんでした。なので急遽インターネットでアイリスの完熟牛糞堆肥を大量に購入しました。実際に畑に入れたのは2袋50リットル程度です。
一袋25リットルを二袋で50リットルの牛糞堆肥と腐葉土を30リットルほどとプランターでの野菜栽培で使った古い培養土を日光消毒した後に石灰窒素を混ぜ込んで約1.5ヶ月置いたものを混ぜてベースの土に使いました。
その他足りない分の土は、畑の土で昨年キュウリを栽培した土を使いました。更にミネラルを補給するために牡蠣殻石灰を使い新しい畑の土をつくりました。多分、連作障害は防げるはずです。また、完熟の牛糞堆肥を使うことで畑の水持ちも良くなると考えました。
アイリスの牛糞堆肥は牛糞とピートモスをブレンドしてペレット状に固めたものです。水を吸収すると三倍に膨らむので乾きやすい土、特に我が家の畑の土は粘土質なので相性が良い組み合わせになります。粘土質の土は、乾くとカチカチに固くなります。
長い間栽培を続けていると腐葉土やピートモスなどの資材を投入しないと水持ちや土壌の中の空気層が無くなってしまいます。2018年の土も大丈夫だと考えています。
梅雨入りしても植えるべきトマトの苗が準備できない
いつもの年なら苗の方が先に用意出来るのですが、今年は苗が出来上がりません。仕方なく畑の片隅にあったこぼれ種のトマトの芽を使うことにしました。本来ならこぼれ種は遺伝的な問題があり実が成らない可能性があります。
発芽して育っても実が旨く成らないことは容易に想像出来るのです。基本的に売っている家庭菜園用のトマトなどの種やお花の種はF1種子と言って親の特徴を受け継ぐことがない一代限りのものが多いのです。
ハイブリッド種子?F1種子とは?
ブランドトマトの桃太郎やアイコなどのトマトの種は結構高価ですよね。有名な美味しいトマトの種はほとんどがF1種子と言っても過言ではありません。購入した種がが高価で有名なブランド種なら尚更です。
種の開発者には当然ですが著作権のようなものがあります。高額な開発費を投じて作ったトマトの種をコピーされることを防ぐ意味で遺伝子レベルでの細工がなされているのです。
一代雑種と言って純粋な種と雑種を掛け合わせた雑種強勢をしたF1種子を販売しているのです。F1種子とは親以上の優良な遺伝子を受け継いでおり美味しくて良いトマトが成ります。
しかし、その優良な遺伝子は一代限りで収穫した美味しいトマトの種を取って置いて次の年に播いても昨年と同じトマトが収穫出来る可能性は非常に低いのです。
一代目のトマトの苗から出来るトマトの実の種は二代目になり親の性質を良い遺伝子を受け継いでいない可能性があるからです。
実ったトマトから種を採取して播いて発芽はしても前年に実ったトマトとは同じトマトが収穫出来る可能性はかなり低いと言うことです。
メンデルの法則を考えるとわかりやすいです。子は親の掛け合わせなので同じ遺伝子ではないのです。性質が一定せずせっかく育てても実が成らないこともあります。
まぁ企業が種を開発して販売しているのですから、実った実から種を簡単に増やせるのは困りますよね。
昨年のこぼれ種の芽を育ててみることにした
播いた種からのトマトの苗はイマイチです。しかし今年はトマト栽培なし?と言うのは辛すぎます。なので昨年のトマトのこぼれ種からのトマトの芽と軟弱な種から育てたトマトの苗を両方育ててみることにしました。
昨年育てていたトマトの実が熟して落ちた種から発芽したこぼれ種のトマトの苗は流石に元気です。大切に育てても旨く行かないのに庭の畑の外で勝手に冬を越して発芽したど根性トマトなのです。いったいどうなるのかはお楽しみといったところでしょう。
下の写真は定植直後のこぼれ種トマトの苗です。通常でも花が咲き始めたら畑に定植するのが基本です。
先にこぼれ種のトマトの苗を準備していた畑に定植しました。今年の夏は猛暑であることは予報されていましたが、梅雨がほとんどない状態から小さな苗を育てるのは心配な部分もありました。
まず畑での栽培では陽当りも良く黒いビニールマルチを使うことから畑は非常に高温にさらされます。
定植の直後は雨が降るくらいでちょうど良いのですが今年は仕方ありません。せっかくの貴重なトマトの苗を枯らさないように水涸れに注意しながら畑での栽培を開始しました。
こぼれ種のトマトの生長が著しく強い
私の心配をよそに意外とまともに育っていくこぼれ種のトマト苗です。花が咲いてどんどんと結実し始まり、あっという間にトマトがたわわに実りました。ちょっと生長が勢いが良すぎる感がありました。
でも暑い日が続き途中大雨があり一気に実ると一気に赤くなり非常に早いスピートで熟しました。
本来なら梅雨の間にじっくりと熟させた方が甘くなると思うのですがこればかりは自然の露地栽培なので仕方ありません。
栽培する年の気候もトマト栽培には大きく影響します。毎年同じ気候なわけではありませんよね。しかし年を追うごとに夏の暑さが半端なく厳しくなっている日本列島ですが朝から夜まで24時間気温が高温のままです。真夏の体調が優れない時は畑仕事は二の次にしましょうね。
大雨で赤いトマトの実が裂ける
西日本で大雨を降らせた前線の影響で東京にも大雨を降らせました。トマトの皮が裂けて幾つかの実がダメになりました。
トマトは熟して来ると皮が薄くなります。大雨などで過剰な水分が実に行くと実が膨張して皮が裂けてしまうのです。最悪穴が空いて食べることが出来なくなってしまいます。
対処としては、ビニールの黒いマルチを使うことで畑の根元に大量の雨水が直接流入するのを防ぐことが出来ますが、台風並みの大雨では畑の地下の水位も上がるので露地栽培の限界となります。また高畝にしておくと多少は回避出来ると思います。
ビニールハウスや雨除けの設備があれば水分の調整が出来ますがあくまでも家庭菜園なので無理のない程度で行うようにしましょう。
皮が裂けても食べられるトマトはあります。雨が沢山降った後は、トマトの実を良く見てチェックし、皮が裂けている場合は早めに収穫してしまいましょう。
2018年は7月半ばで真っ赤に熟したトマトを収穫
何となく早い気がしますが既に真っ赤に熟しているのと皮が裂けてしまっているトマトもあるので初収穫をしました。
例年なら未だ梅雨の期間のはずが真夏以上に暑い日が続いています。窓から赤いトマトを確認して夕方に収穫しました。
本来なら暑くなる前の朝に収穫するのが良いのですが、陽が上ると同時に暑いので無理をせず夕方に畑に出ました。畑に出る時は必ず長袖と長ズボンを着用して首にタオルを巻きます。
ヤブ蚊がいるので蚊に刺されないように注意します。ここ数年は蚊も危ない昆虫になりました。また真夏はいろいろな害虫がいて刺されない工夫を確実に行うことは家庭菜園でも言えることです。蚊取り線香と長靴も出来れば使うようにしましょう。
2018年のトマト初収穫しました~
少しですが真っ赤なトマトを収穫しました。毎年連作障害と戦うために土作りをしながらトマトを栽培しています。決してブランドのトマトではありませんが自宅の庭に作った畑で真っ赤になるまで待ったトマトはとても甘く美味しいです。
こぼれ種のトマトがいち早く収穫を迎え心配していた障害や先祖返り的な症状はありませんでした。もともとは購入したトマトの種から実った実の中から発芽したトマトの苗です。
ややこしいですが昨年のトマトの実から発芽したトマトの苗です。実自体は親と同じで大きさも色も同じです。ただし、樹勢が強い感じがします。また脇芽が出やすく切るのが大変でした。ちょっと芽を離すと脇芽が出ているような感じでした。
トマトの実の房の先や葉から脇芽が出る
トマトの脇芽は基本的には、花房の下の茎と葉の脇に出るものがほとんどです。しかし稀にトマトが成っている房の先に葉っぱが出てきたり、普通の葉の上に脇芽が出ることがあります。写真の赤く囲った所が房の先に出てきた脇芽です。
脇芽が多い現象は土の肥料が多い場合におこります。私の推測では石灰窒素を使ったこととアイリスの完熟牛糞堆肥の量が多かったと思われる点、こぼれ種の樹勢の強さが関係していると思います。下の写真は普通の脇芽です。
普通に種を播いて育てているトマトの苗には見えない現象です。どちらにしても栽培中に脇芽が出ているのを発見したら必ずハサミで切り取りましょう。脇芽は小さいうちに切ることでトマトの苗に負担が掛からないので良く見て脇芽を切りましょうね。
2018年トマト栽培を振り返って
まだまだオンシーズンのトマト栽培ですが猛暑の続く2018年のトマト栽培は7月半ばにして収穫期を迎えています。とにかく暑い日が続いています。連日35度を上回る気温の中、畑のトマトは元気に花を咲かせ実を成らしてくれています。
何年も家庭菜園を行っていますが、季節にズレが生じていると思われます。多分2018年だけでなく2019年ももっと暑くなりそうな予感がします。冬の寒さはより厳しく夏の暑さは更に厳しくなると考えています。
今年の9月には来年に向けての土壌改良の計画を立てなければトマトの連作障害を免れることは出来ないでしょう。
出来るだけ時間をつくり土壌改良と暑さ対策を考えて行きたいと思います。2017年の記事を多くの方にお読みいただいておりますが家庭菜園でのトマト栽培の連作障害を脱する方法や狭い畑での土づくりの記事を続けて書いて行きたいと思います。
ぜひブックマークしていただき続けてお読みいただければと思います。来年も再来年も楽しく連作障害のない家庭菜園でトマトを栽培しましょう。
今回も長文をお読みいただきましてありがとうございます。♡香
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