春を告げるフリージア栽培
秋に球根を増やす植え付け方法と育て方
フリージアは球根で増える春に花を咲かせる植物です。開花するのは、4月で球根の植え付けは東京では9月です。植え付けだけでほとんど手間の掛からない楽しいフリージア栽培をご紹介します。
フリージアなど球根で育つ植物の花の時季は、年に一度というのが普通です。考えるとたった年に一回、たったひとつの花で終了というのはなんとも寂しいですが、春に咲くフリージアは寒い季節の終わりを告げる春の花なのです。春分の頃になると蕾がたくさん姿をあらわし開花の予感も楽しいものです。
春に咲く球根の花が咲いて楽しむのは、ほんの一週間程度ということになります。たった一度だけれど、毎年秋になると球根を植えて生長を楽しむというのも庭仕事の楽しみのひとつですよね。
球根を増やすには、定期的な植え替えや肥料など花の種類によって栽培方法が異なります。
今回ご紹介するのは、かわいい黄色い花が春を告げるフリージアです。フリージアは、ひとつの球根からいくつかの花が咲く球根の植物には珍しくひと茎からの花数が多い植物です。球根も増えやすく育てやすいお花と感じています。
私が育てているフリージアは、黄色い花で既に20年以上前から庭の片隅で育てている大量の球根です。
しかし、ここ1~2年の異常気象で球根の数が激減しました。フリージアは通常、東京などの温暖な気候では、球根を植えたまま冬を越しても枯れたり腐ったりせずに春には再び花を咲かせます。
しかし2017年から2018年の冬に掛けては、非常に気温が下がり一部の球根が凍結して枯れてしまいました。
幸い幾つかの球根が生き残りましたので、花が終了した初夏に球根を掘り上げ、乾燥させて梅雨と夏を越させました。
フリージアの球根を掘り上げて夏を越したのは私も初めてでした。2018年の夏は結局記録的な猛暑だったのですが、軒下で雨を避けて何とか球根は元気なまま秋を迎えました。
秋・9月フリージアの球根を植え付ける
ここ数年、園芸をしていて感じることは、真夏の異常な暑さと秋の急激な気温の降下と雨の多さです。特に夏の暑さは殺人的な感じすらします。
さまざまな植物を長年に渡り育てていますが、猛暑の年は幾つかの植物を枯らしてしまいます。また、冬の寒さも大切な植物が枯れる可能性が高く毎年のように起こる異常気象に翻弄されています。
記録的な猛暑を体験した2018年の夏は、私の庭でも非常に厳しい状況に陥りました。まず、夏野菜の代表格キュウリ栽培が上手く行かずに失敗しました。
原因は短い梅雨と異常な高温により発芽した苗が育たなかったことです。更に園芸自体が行えないほど暑くて庭にでることもままならない状況でした。2018年の冬はどのようになるのか?とても心配です。
2018年の冬への備え
今回、フリージアの球根を植え付けるにあたり注意したポイントをまとめます。昨年のような記録的な寒さが今年も来るのでしょうか?
一先ず、育てるプランターは大きめのモノを用意します。更に培養土を多めにしてアイリスの完熟牛ふん堆肥を足しました。
冬の乾燥を少しでも回避するためには、培養土を多めにしておくことと堆肥で保湿することが良いと考えたからです。アイリスの完熟牛ふん堆肥は、私の園芸ではよく使う資材です。
ペレット状になっているので臭いもなく雨の当たらない場所に置いておけばいつでも使えます。
フリージアの球根の植え付けから開花までは、庭の温かい場所に置いて水は与えません。水は雨だけです。
特に植え付け時季が秋なので雨が多く降ります。土は必ずプランター用の水はけの良い培養土を使いましょう。今回私が使ったのは、使い回しの培養土です。もともとはホームセンターで買った一番安い培養土です。
一度使った培養土を消毒して再度使う
一回お花を育てた培養土を捨ててしまうのは勿体無いのでお天気の良い日にシートに広げて天日干しして培養土の再生作業をして使います。
ビニールシートに使用済みの培養土を広げてゴミや古い根っこなどを取り除きます。更に害虫の卵などを駆除するために苦土石灰や石灰窒素などを状況に応じて使用します。
苦土石灰は、雨に曝されて酸性に傾いた培養土のpHを中和させる効果があります。また、石灰窒素は、炭化カルシウムと窒素の化合物で消毒(農薬)と肥料の効果があります。
石灰窒素は始めは農薬の効果があり、時間が経つと肥料になるという化学反応があります。農薬の効果では、動植物に対して毒性があり扱いが難しいことが難点です。
しかし、上手く使用することで目に見えない害虫の卵や雑草の種などを培養土から排除する効果が期待できます。
使用するにあたり注意書きをよく読んでから使いましょう。使い方を誤るとご自身の健康や植物が枯れるなどの被害が出ます。また、石灰窒素を培養土に混ぜてから半年くらいは時間を置いた方が確実です。
ちょっと心配な方は、普通の苦土石灰を使いましょう。通常目に見える害虫は、日光消毒して苦土石灰を加えるだけで死滅します。
しかし、病気などに罹った植物を植えていた培養土は廃棄処分にしましょう。行政の対応にもよりますが、燃えるゴミとして出すことが出来ます。
プランターに七分目くらいの培養土を用意
大きめのプランターに30リットルほどの培養土を用意して植え付け準備をします。一回使った培養土を使用したので、植え付け時にも一握りの牡蠣殻石灰を足しました。
フリージアは若干アルカリ性を好む性質があるので天然素材の牡蠣殻石灰を使いました。牡蠣殻石灰がなければ、普通の苦土石灰でも大丈夫です。
培養土と牡蠣殻石灰をよく混ぜ、プランターの七分目まで入れます。少し深植えにするのがポイントです。フリージアは親球根の上に子供の球根が出来るからです。
フリージアは親の上に子の球根が出来る
親の球根を浅く植えてしまうと子供の球根が上手く生長できないので表面から5~6センチくらいの深い位置に今回植える親の球根を置いて行きます。
購入した大きな球根であれば、10センチから15センチ間隔でひとつの球根を植える方が良いでしょう。
上の写真は、球根が小さいので、少し狭めに置いています。球根の大きさによって咲く花の数や大きさが決まって来ます。
フリージアの花を楽しむことと球根を育てることを両方狙うので、大きめのプランターにたっぷりの培養土を使っています。
今回球根を購入して始める方も出来るだけ大きめのプランターにしっかり多めに培養土を使うと球根が増える楽しみが増えますよ。
植付後は、プランターにネットを置いておく
どのような植物を育てる場合でも、プランターに培養土を入れたら発芽するまでネットを被せておくことをお勧めします。
四角いプランターでも、丸い植木鉢でも新しいふかふかの培養土がむき出しになってると野良猫が寄って来ます。勿論、目的はトイレです。特に住宅地にお住まいの方は猫の被害に気をつけましょう。
アスファルトの多い地域では、野良猫は土を見ると所かまわずトイレにします。ですからプランターに植物の種や球根を植えて暫くは、猫の被害を受けないように要らないネットや支柱などで野良猫が乗れないようにしておきましょう。
猫に糞尿をされてしまうとせっかく植えた球根も培養土も使えなくなるばかりでなく腐ってしまいます。
猫に糞尿をされると何よりも不衛生ですし、せっかくの球根が勿体無いです。発芽して暫く育つまで注意が必要です。
発芽までは、2週間くらい掛かります
気がつくと葉っぱが出ているという具合でフリージアは発芽します。春に花が咲くのに発芽は意外と早い気がします。約2週間経っています。2〜3日前までは発芽はしていませんでした。でも、台風の影響でここ数日雨が降り、一気に発芽したようです。
発芽したばかりのフリージアの小さい芽がとても可愛いです。秋の植物は生長が早く非常に楽しいです。この大きさではまだまだ猫よけのネットを使いましょうね。
プランターの球根は、野良猫にほじくられてしまうと一気に死んでしまいます。可愛いフリージアの新芽を猫の害から守りましょう。
雨が降って更に生長したフリージア
更に一週間経って庭のプランターを見るとフリージアは沢山発芽して葉を伸ばしていました。このところ寒暖差が激しいものの雨が多く降って球根が一気に目を覚まし伸びはじめているように感じます。
よくよく考えるともう9月です。今年もあと3~4ヶ月で終わりです。一年は早いですよね。
植え付けあとには急激に気温が下がる日があるでしょう。でもたっぷりと大きめのプランターなら球根が凍結したり枯れることなく生長を続けます。昨年来植えたままのフリージアの鉢も発芽してかなり大きく生長していました。凄く密集して発芽しているので来年は植え替えしてあげないとダメですね。
ほとんど手間が掛からないのもフリージアの大きな特徴です。ただし、霜が降りるほど寒い時は、プランターを軒下など暖かい場所に移動すると良いでしょう。
球根を植え付けるだけで、可愛いフリージアの花が咲く春が楽しみなのは嬉しいですよね。
フリージアの他にも多くの球根を育てていますが、9月に入りムスカリは既に発芽しています。
フリージアよりムスカリの方がちょっと開花が早いですが、ほぼ同時期に花を見ることが出来るのです。
開花後もそのまま夏を越すことが可能
フリージアは、温暖な気候を好みますが冬でも陽が当たる庭先などに置いておくことで冬が越せるでしょう。
春になったら一回マグアンプKなどの緩行性肥料を与えます。また花が咲いたら液肥を2週間に一回ほど与えます。
咲いたフリージアの花は、切って花瓶に入れてお部屋に飾ることも出来ます。出来るだけ咲いた花は早めに摘みとり養分を球根の生長に回しましょう。
球根で咲く花は、球根を育てるために出来るだけ花を早く切り取る方が良いのです。花が咲いて放置しておくと種が作られて養分が球根の生長に回って行かなくなります。
咲き終わったら早めに花殻を摘むことをお忘れなく。来年もまた楽しむには開花後のお手入れが重要です。
そして、花が終わり葉っぱだけになったら次は葉っぱを大事に育てます。元気な葉っぱは、しっかり光合成を行い栄養分を球根に蓄えます。
そのために葉は枯れるまでそのままにしましょう。花が終わったからと言って葉を切ることは栄養分が球根に行かなくなるので止めましょう。
フリージア栽培は手間が掛からない
花を咲かせ、軽く肥料を与えるだけで、数年間同じ状態で春に花を咲かせてくれます。球根で咲くフリージアのお花の楽しいところは、ほとんど手間を掛けずに毎年楽しめるという部分でしょう。
更に子供の球根がどんどん増えて沢山の黄色い花が咲くのも美しく春を感じさせてくれます。
フリージアは、もともとはアフリカが原産の花ですが、オランダで品種改良され江戸時代に日本に渡ってきました。
水仙や菖蒲に似ていることから菖蒲水仙と呼ばれていたようです。フリージアの原種は黄色で現在ではさまざまな色があります。しかし、園芸する上で一番強いのは黄色です。
球根の植物は、一度花が咲いて球根自体も腐ってしまい本当に一度きりだったり、だんだん球根が小さくなり花が咲かなくなるものも多いです。
土地柄にもよると思いますが、チューリップは花が咲いて次の年は、球根が腐ってしまい使うことが出来なくなる傾向が強いと感じています。
また、ヒヤシンスも徐々に球根が小さくなって最後は無くなってしまうように感じています。
下の写真は9月始めのムスカリの様子です。8月末から気温が下がる日が増え、更に台風で雨が降って発芽が促進されました。春に花が咲いてそのままの状態でした。季節の変化を感じますね。
私の庭では、ムスカリ、アマリリス、フリージア、スイセンがどんどん増えています。いろいろな球根がありますが、あなたのお好みのお花を手間なく毎年楽しめる球根栽培を楽しんでくださいね。
フリージアを増やす5つのポイント・まとめ
①少し深めに親球根を植え付ける
②真冬は霜に当たらないようにする
③花は切り花にする
④咲き終わった花殻を早めに切り種を作らせない
⑤花が終わったら葉を労り肥料を与える
以上がフリージアの栽培の5つのポイントになります。可愛いなと感じるお花をあなたも育ててみてください。プランターで簡単に栽培が出来ます。
春になりフリージアは沢山の蕾をつけました。もちろん花芽は大きく球根の肥大も期待出来ますよ。花が咲き次第切り花にして球根の肥大化をして行きます。
花をつけたままでは、球根が育たないからです。花を切り取り更に葉を茂らせ新しい球根へ栄養を送りましょう。
花が終わったフリージアには、2週間に一度くらい薄い液肥を与えます。葉は次第に枯れていくので枯れるまで大切に育てましょう。液肥は、薄めるタイプでもそのまま与えるタイプでも良いです。家にあるもので充分です。
私は、水に希釈するタイプを使っています。2リットルのペットボトルなどを使うと水の量が計算しやすいですよ。
フリージアだけでなくムスカリやスイセンの鉢やプランターにも液肥を与えお花を咲かせてくれたお礼をしましょう。そして、また来年のお花を楽しみに球根をいたわりましょう。
今回も長文をお読みいただきましてありがとうございます。♡香
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