キク科の可愛いオステオスペルマム

挿し木でいっぱい増える楽しい園芸


オステオスペルマムと聞くと難しい感じがしますがキク科の植物の名前です。商品としてはサントリーフラワーズから「キララ」と言う名前で販売されています。季節によって花の量に違いはありますが365日花を楽しむことの出来る多年草の植物です。

オステオスペルマム=マムとついていることからキクの仲間と言うことがわかります。マムとはキクの洋名です。

 

 

特に黄色いオステオスペルマム(キララ)は花が沢山咲くと非常にパワーがもらえ元気になれる気がします。私は黄色いキララを育てていて同じ株でもう5年以上栽培中ですよ。

一株から既に何株も増やし花の季節には沢山の黄色い花を楽しんでいます。増やす方法は挿し芽(挿し木)です。キララを剪定したときに枝を土に挿すだけで株を増やすことができるのです。

オステオスペルマム(キララ)の花は、マーガレットに非常に似ていて色が違うだけなのかな?と思われがちですが、実際は原産国が違います。

オステオスペルマム(キララ)はアフリカ南部の熱帯アフリカが原産です。また、マーガレットはカナリア諸島が原産です。しかし同じキク科の植物であることから栽培の方法は大筋では同じで大丈夫です。ただ越冬の栽培の注意点は若干違います。

敢えてオステオスペルマムとマーガレットの違いを探すなら葉っぱの硬さや色が違うと感じています。また耐寒性もオステオスペルマムの方が強く氷点下6℃くらいまで耐えることが出来ます。

一方、マーガレットは比較的暖かい地域でないと冬を越すことが難しい植物です。

ここ数年温暖化で暖冬が続いていましたが2017年の冬は非常に寒く我が家のマーガレットは枯れてしまいました。

通常の東京の海沿いの地域なら簡単に越冬出来たであろう植物が枯れたので気候変動を感じます。しかし非常に寒さの厳しい土も凍る庭でオステオスペルマムはしっかりと冬を越しています。

 

 

通常の非常に乾燥する東京の冬にも耐え真夏の暑い時期にも元気に花を咲かせます。非常に丈夫な植物と言えます。

オステオスペルマム栽培のポイント

オステオスペルマムの苗の大きさに適した鉢と水やりと害虫からの防御です。どのような植物とも共通することですよね。

また梅雨時などは出来るだけ葉を剪定して風通しを良くして蒸れから苗を守りましょう。

暑さ対策の記事も併せてお読みください。

キララ栽培・オステオスペルマムの夏の暑さと害虫対策&土増し作業。

そして空気が乾燥した季節にはしっかりたっぷりと水をあげることを忘れないようにしましょう。

冬・縮こまりながらも春を待つ健気なキララ

春になると一斉に目を醒ますように新芽が出てくるのもオステオスペルマムの栽培の楽しい部分です。

オステオスペルマムの茎は始めは緑色の単なる茎なのですが時間が経つにつれて木質化します。

木質化とは緑色の草の茎が木のようになり茶色くなることです。マーガレットなどの仲間にも見られる現象です。

木質化すると苗自体も丈夫になります。そして木質化した部分から新芽が出ますし、しっかりとした苗になります。

 

 

木質化した大きなマーガレットを見たことがありますが、地植えにするとかなりしっかりと巨大化するので栽培が楽しいですよね。一方、オステオスペルマムはあまり巨大化しない種類です。

大きめの10号前後の鉢での栽培が丁度良いと感じています。また私の経験上寄せ植えよりは単独で大きめの鉢に植える方が苗が弱らず長く楽しめる種類だと思います。

根が張り易い植物だからです。根が張りやすい植物は寄せ植えにすると枯れやすくなる傾向にあると感じています。

オステオスペルマム(キララ)の挿し木

挿し木のタイミングは5月~6月がベストとされていますが、花姿勢が崩れた時に剪定して出た枝で元気なものがあれば季節を問わず挿し木は可能だと感じています。私は剪定した時に良い枝をみつけては挿し木にしています。

挿し木をするのに適した枝は、ある程度の太さがあり先が木質化した枝が良いでしょう。あまり細すぎると根を出すほどの養分がありません。割り箸より少し細いくらいから太い枝がちょうど良いと思います。

切り取った枝は一先ず水に挿して水揚げをしましょう。そのあとピートモスか培養土に挿していきます。植木鉢に鉢皿を当ててしばらくの間水分を切らさないように注意します。

オステオスペルマムの根は水に強く簡単には腐らないのであまり神経質にならず水を多めにして半日日陰の場所に置きましょう。しばらくすると葉が茂り始めます。

葉が茂って来たと言うことは、根が張り始めたと言う合図です。植木鉢を用意して植木鉢に定植することが出来ます。

植木鉢に移した後もしばらく鉢皿をあてて水を枯らさないようにしましょう。徐々に根が張れば鉢皿も不要です。

挿し木で増やすことが出来る植物は沢山あり枝から根を出し易くする薬剤も市販されています。

でもお金を掛けなくても何本か挿し木することで根付く茎もあるのであまり気にせず枯れてもまたトライしてください。

コツが掴めれば薬剤なしでも簡単に挿し木で増やすことが出来るようになりますよ。

春に剪定した枝を使う挿し木の方法

春のキララは沢山の花を咲かせる株とじっくり蕾を蓄えた株があります。上の写真は3月中旬のキララの様子です。満開になっています。一方、下の写真は同じ時期の別の鉢のキララで蕾の状態です。

上の写真から一週間後には、花が咲きました。しっかりした花姿で沢山の花がピンと立って咲き始めましたよ。下の写真が、花が咲き始めたキララです。

この一週間は、寒い日もあり、雨も降りました。でもこれぞキララといった可愛らしさとしっかりした花茎の状態がとても良い出来と考えています。

これは冬に剪定した場合の鉢と冬に剪定をしなかった鉢・株の違いです。冬に剪定をせずに春を迎えたオステオスペルマム(キララ)は、すっかり大きくなり枝が伸び花が満開になっています。一方、冬に剪定をしたキララは、未だ蕾の状態です。剪定をした時期によって花の咲く時期にズレが生じています。

満開のキララの方は、そろそろ剪定をして欲しいと訴えています。お花の栽培を続けて行くと徐々に今なにをして欲しいのかわかるようになるものです。剪定の時期や植え替えの時期などをその株を見ただけでわかるようになるのです。

あまり難しく考えず花の様子や枝の様子をよく観察しましょう。上の写真は、上部が満開のオステオスペルマム(キララ)です。

しかし、株の根元をよく見ると下にも蕾ができて葉が茂っています。花が満開の場合どうしても上部の花に目が行きがちですが、元気なオステオスペルマム(キララ)の根元には既に新しい葉や蕾ができ始めています。

根元以外にも木化した枝に緑色の新芽が出ています。剪定の時期が近づきました。しかし、上部は満開なので未だ剪定はしたくありませんよね。

でも、花の盛りが過ぎると徐々に花自体が小さくなり始めます。そうしたら、全体のバランスを見て枝を剪定しましょう。剪定の場所は下の写真に赤い線で示しています。

結構、バッサリと小さくなります。心配な場合は少しずつ切って行けば間違えはありません。

でも植物の生理現象として、養分は枝の先へと向かい供給されるので下部に生え始めた新しい芽を大きくさせたい場合は思い切った剪定が良いでしょう。

剪定して、切った枝は、挿し木にできますので一旦花瓶に挿すなどして、水揚げをしましょう。その後、培養土に挿せば株を増やすことができます。

我が家の庭でちょっと見ないうちに変な格好になってしまったキララの鉢があったのでご紹介します。

剪定をせず冬を越した鉢です。しかし、すっかり枝が曲がってエラいことになってしまいました。本来上に伸びるはずの枝が曲がって下に垂れています。

根元には新しい芽がしっかり生えていたので、思い切って赤い線で切り取りました。

一週間後の様子が上の写真です。剪定した当初より倍くらい大きく生長しています。一気に栄養がまわりすごく大きくなりました。キク科に限らず植物は栄養が先へ先へと行く性質があるので剪定をすることで根本や下部に栄養が行くようになります。

切り取った垂れてしまった枝には沢山の蕾や葉が茂っていました。かなり先の方に栄養が行っていたようです。

でも垂れ下がった状態では、あまり美しくないのと既に新しい芽が生長する時期を迎えていると判断して剪定を決断しました。

このように思い切った剪定をしても株自体は弱ることはありません。下の方に葉が出て来たり木化した枝に新芽が出て来たら剪定の時期と考えて良いでしょう。

オステオスペルマムの植え替え

冬を越したあとの苗もしっかり剪定して暑い季節に備えます。寒さに強く暑さにも強い長期間栽培できるオステオスペルマム(キララ)ならではの特性を考えると地植えより鉢植えが合っていると思います。

暑い時季は、半日日陰に置いて冬の寒い時季は暖かい日向に置くなど置き場所を工夫すればより管理が楽になり苗の生長も良くなるでしょう。

植え替え時季は春先のあまり苗が動いていない時季が良いと思いますが、鉢が根でいっぱいになって培養土が少なくなってしまっている場合は根鉢を崩さないようにすっぽりと古い鉢から抜きます。

 

 

そして、ひと回り大きな鉢にそのまま入れ替えて培養土を足すだけでも元気を取り戻すことが出来ます。

オステオスペルマムの葉の様子を見ながら元気がないと感じたら鉢の中の根の様子を見て確認します。

葉先が枯れたり、緑色が薄くなってきたら植え替えのサインです。培養土に栄養が足りないと葉が黄色くなってしまいます。液肥を与える、植え替えるなどして様子をみましょう。

苗を植え替えてから伸びすぎた枝を剪定します。根もとの茎から小さな葉が出ているのを確認しながら剪定しましょう。

細い支柱などで培養土の部分を刺してみて固くなっているようなら植木鉢が小さい可能性があります。二ヶ月後には下の写真のようにこんもりします。

下の写真は、翌年の3月中旬の様子です。株は一段と大きくなり立派な姿になりました。

葉は元気に育ち更に沢山の蕾が出来ています。開花すれば更にこんもりとなるはずです。冬にしっかりと剪定し更に大きめの鉢に植え替えたことで一段と立派な花姿勢になりました。

また、鉢の中に害虫が居る場合もあります。オルトラン粒剤を与えて様子をみましょう。コガネムシの幼虫が根を喰っている可能性があります。

殺虫剤を使わず鉢の中の害虫を駆除

鉢の大きさにもよりますが植木鉢ごと水を張ったバケツに30分から1時間ほど浸けておくと培養土の中に巣食った害虫は溺れて死にます。殺虫剤を使わなくても対応が可能です。買い置きの殺虫剤がない時はお試しください。

しかし、葉の部分など巣食う害虫にはバラ撒く粒状の殺虫剤やスプレータイプの殺虫剤が有効です。

普段から葉の状態を良く観察することで害虫からの大きな被害は防げますが、どうしても気がついたらやられていたと言うことはあります。

万が一に備え、普段から予防的に培養土の上に撒くタイプのオルトラン粒剤などの殺虫剤を散布しておくことをおすすめします。

殺虫剤の粒剤を培養土の上に撒くことで鉢の中の植物の根から薬剤を吸い上げ葉も花も根も薬剤がしっかり回ると言うのが粒状の殺虫剤の特徴です。難点は植物の背丈が1メートル以内でしか作用出来なと言う部分です。

大きな植物の場合は葉に対しては液体やスプレー式の殺虫剤を部分的に使用しなければなりません。

また害虫を増やさない工夫では風通しの良い場所に置くことも肝心です。あまり密集して置くのも良くありませんし壁際なども蒸れや害虫を増やす原因になります。

上の鉢の3月中旬の様子は下の写真です。大きく生長し、こんもりとしました。冬に行った強めの剪定の結果未だ花は咲いていませんが沢山の蕾がついています。

どうでしょう凄く立派になりますよね。沢山の花が咲くのが楽しみです。どのような植物も手を掛けることで大きな喜びが生まれるのです。

ベランダでの栽培の場合は、出来るだけ植物を置く間隔をあけて風通しを良くして置くことと、エアコンの室外機の前などに置かないように注意しましょう。

風通しが良い方がよいのですが、エアコンの室外機からの強風があたるような環境は植物栽培には適しません。

ひとつの種類の植物を挿し木で増やす

沢山の花鉢を並べると非常に豪華な雰囲気になりますよね。花壇でも沢山の花が楽しめれば素敵です。沢山欲しいなら花屋さんで沢山の苗を購入すれば良いと言う発想もあります。

しかし、同じ花苗を沢山買うのも何だか勿体無い気がします。挿し木で増やせるものは、挿し木で増やすと花を愛でるだけでなくもう一味違った楽しさを感じることが出来るはずです。

また挿し木だけでなく大株になった鉢ではキララの根元をよく見ると株が増えている場合があります。その場合は株を分けることで増やすことが出来ます。挿木より確実に増やすことが出来るのでもし根元で株が分けられそうであれば挑戦してみましょう。植木鉢の中をよく観察して株分が出来そうならチャンスですよ。

こんなに沢山の根のついた枝を採取することが出来ました。このまま植木鉢に植え替えれば素早くひと鉢増やせます。環境が整えばどんどん確実に増やすことが出来てキララ栽培が楽しくなります。大株のキララを沢山並べれば開花の時季には自慢できる庭になるはずです。

 

 

 

花の苗も結構なお値段がしますので挿し木や株分で増やせれば万が一親株が枯れても安心です。

でも、挿し木で上手く増やすことに自信がないと言う方もいるでしょう。園芸を始めたばかりの初心者だから挿し木で増やせる植物かどうかわからないと言うこともあるでしょう。

確かに挿し木では上手く育たない植物も多く存在します。逆にポピュラーな植物で挿し木や挿し芽が楽しめる植物も多く存在しますよ。

挿し木や挿し芽が出来る植物とは?

一番ポピュラーなのは、キク科の植物です。キクは簡単に挿し芽が出来ます。オステオスペルマムもキク科の仲間です。

例えば、お正月の生花で使った大菊も挿し木で増やすことが出来ます。正月の切り花を飾り終わった茎を葉っぱの節ごとのカッターなど切れ味の良い刃物で切り培養土に挿すだけで根が出ます。

お正月の切り花まで挿し木にするというのもかなりのケチ?と思われるかも知れませんが元気な茎を見ると挿し木にしたくなるのです。これは行けそうだと見るだけでわかるようになりますよ。

また植えてあるキクも春先に伸びて来た芽を切り培養土に挿すと増やすことが出来ます。増やすだけでなく切った元のキクのにも脇芽を増やし花芽を多くすると言う作用があります。

通常植物には上に伸びると言う習性のようなものがあります。途中で切れると脇から芽を出してさらに枝葉を増やすと言うものです。花自体は小さくなりますが沢山の小菊を咲かせることが出来ます。

挿し芽にした方の鉢にも苗が増えるので沢山のキクを咲かせることが出来るのです。

同じくキク科の植物のマリーゴールドも挿し芽で増やすことが出来る植物なのです。マリーゴールドは簡単に増やせます。

バラも挿し木が出来る植物の代表格ですよね。バラの場合は茎を切り清潔な鹿沼土に挿して発芽を待ちます。種類によってかなり難しいものもありますが、挿し木が可能です。

頂いたプレゼントの花束のバラから挿し木を作ることも可能ですよ。切り花ではすぐにダメになってしまうバラも鉢植えに作り直せれば長く楽しむことが可能ということです。

身近なところではビオラも挿し芽が出来る植物です。切って挿すだけで根が出ます。花は見るだけで心が和みますが更に育てて増やすことで小さな生命を慈しむことを学ぶ機会をもらえると考えています。

挿して増やす園芸の楽しみ

挿し芽や挿し木なら親株と同じ性質を持った苗を増やすことが可能です。茎を切って水や培養土に挿して置くと根が出てやがて花が咲くと言う部分は非常に不思議な感じがします。

人間で言うならiPS細胞?的な感じすらします。茎から根っこが出て育ち花が咲くのです。人間ほど複雑ではないにしろ不思議な部分です。

そんな不思議な世界感を体験出来る園芸の奥深さや楽しさをあなたも体験し実験してみてください。毎日の生活が更に楽しくなることでしょう。

今回も長文をお読み頂きましてありがとうございます。♡香


 

 

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