実質経費ゼロの緑肥で簡単農耕

冬も手間なしアカツメグサで家庭菜園の土壌改良


家庭菜園で使用する畑を耕すのは結構手間がかかります。なかには苗を植える直前に耕すだけという方もおられるかも知れませんが、家庭菜園こそ定期的に耕し土壌改良を行うことをすすめします。

 

 

何故なら小さな家庭菜園だと休耕田を作り輪作をすることが難しいからです。悩んでも結局、毎年同じ場所の畑で夏野菜を育てることになりますよね。そこで気になるのは連作障害です。昨年は沢山収穫出来たのに今年はダメだったという苦い経験はありませんか?

狭い畑でも連作障害を回避して安定的に収穫を得るためには、何かしらの方法で土壌改良をすることは必要な作業です。でも土壌改良と言ってもさまざまな方法がありますし、あまりに大変で費用がかかるのも気になりますよね。なにか良い方法はないものか?私も常々考えています。そこでマメ科の植物であり尚且、雑草のアカツメグサを使う方法に辿り着きました。

今回はアカツメクサをタダで手に入れて冬の間アカツメクサに畑を耕してもらう方法をご紹介します。雑草のアカツメクサは、タダなので費用がかかりません。まさに家庭菜園向けの土壌改良法です。

小さな家庭菜園。趣味だから寒い時期は畑仕事はしたくないと考えている方も多いことでしょう。私も寒い時期は庭に出るのが億劫でついつい放置してしまいます。

年齢を重ねるごとに寒い日は、なんとなく部屋でぬくぬくしていたいと考えるのも頷けます。でも、夏の収穫量を増やすことや連作障害を避けて大好きなトマトやキュウリを沢山収穫したいと欲張りな気持ちは全然萎えません。かなりの欲張りおばちゃん状態です。

 

 

さまざまなことを考えて一番楽ちんで、尚且、経済的に負担が少ない方法で家庭菜園の畑の土を良い状態で夏に向かえたいですよね。また寒い時期は、何もしたくないです。かなりワガママですが本音です。

寒くてもしっかり自分で耕すしかないのかなぁ~とか、なんとか手を抜きたいし、ラクをして豊作を実現したいとズルいことを考えてみたり。

あなたは頑張って畑を耕していますか?

あぁ~誰か私の菜園の土壌改良をしてくれないかな~と思っているなら、一番簡単でお手軽なのは、植物に耕してもらう方法が良いと思います。

数年前から緑肥として使えそうな植物を模索してきました。緑肥として有名なのはライムギシロカラシシロツメグサヒマワリマリーゴールド・アフリカントールなどです。

緑肥用の植物にはそれぞれ効能があります。基本的には土壌改良をして収穫を増やすことや病害虫から栽培植物を守る作用です。土壌の状態や栽培する植物によって緑肥を変えることもあります。

目的に合った植物の種子を購入して試します。緑肥植物によって一長一短がありますが家庭菜園では、マメ科の植物を植えれば基本的には問題は少ないと考えています。

 

 

我が家の畑は冬にはあまり陽が当たらないので緑肥がうまく生長出来ないといった問題もありました。

基本的にはムギの仲間は寒さに強いのですが、我が家では、あまりうまく行きませんでした。また、種子の価格が結構高かったイメージがあります。

購入した種子を一袋全部播いても発芽する数が少なかったり全体的に土壌改良をするほどの量が確保出来なかったと言う部分が問題でした。要は経済的ではなかったということです。

シロカラシも春から栽培するので夏の畑の開始に間に合わないので休耕田に使う方法しかうまく行きません。シロツメグサやヒマワリも同様です。春から夏に掛けて行う緑肥栽培の問題は夏野菜と重なる点や害虫が発生しやすい点をあげることができます。

寒い冬でも雑草なら頑張ってくれるかな?

なんとか寒い時期に頑張ってくれそうな丈夫で繁殖力が旺盛な植物は無いものか?と思って考えたどり着いたのは、アカツメクサです。アカツメクサとは、シロツメクサの赤いバージョン?と思いきや性質や細かな部分はかなり違うことを感じました。

とにかく強靭な繁殖力なのです。シロツメグサがか細い乙女なのに対してアカツメグサは、非常にワイルドな感じで男性的なイメージを受けます。茎の太さなどもかなり違うし、とても丈夫です。

特に秋から冬にかけては、寒さに負けることなく生長を続け、夏にキュウリを育てていた畑の上で冬でも大きく生長しました。上の写真でもわかると思いますが、茎も太く寒い季節でもグングン広がって大きく生長します。

雑草?アカツメクサとは?

アカツメクサは、ムラサキツメクサ、赤クローバーとも呼ばれます。市販で種子も売られています。しかし、土手などで雑草に混ざりながらしっかりと花を咲かせています。

河原や土手でシロツメクサやカラスノエンドウと混ざりながらピンクの花を咲かせるアカツメクサを目にしたことはありませんか?大きめな公園などでもたまに見かけます。

 

 

自然の中で咲くアカツメクサは一本立ちで縦に伸びて咲いている場合が多い気がします。周りの雑草に遠慮して省スペースに生長している感じです。花の形状はおなじみのシロツメクサの花に似ていて、大きさはシロツメクサよりひと周り大きく条件によってはシロツメクサの倍の大きさの花もあります。

アカツメクサはアメリカなどから来た牧草

アカツメクサは、明治時代に牧草=飼育飼料緑肥として播かれたものが雑草となり増えてきました。種子を購入すれば簡単ですが、土手などで咲いている一株をもらって育てて家庭菜園の土壌改良の緑肥にも使えますよ。

下の写真は、土手の草むらに生えているアカツメクサです。周りの雑草に負けて存在感が薄い感じです。唯一大きなピンク色の花が目を引きます。土手に自生しているアカツメクサの花は、シロツメクサの花の倍くらい大きくなるものもあります。

土手で咲く雑草を緑肥にするのですから費用負担はゼロです。経済的で家庭菜園には嬉しいですよね。

アカツメクサは、マメ科の植物なので土壌を肥沃にするための空中窒素固定作用があります。空中窒素固定作用とは、空気中の窒素を吸収し植物の生長に必要な栄養分に変換できる作用のことです。

★マメ科の植物には空中窒素固定作用を行うための根粒菌が存在します。同じマメ科の植物のシロツメクサやカラスノエンドウなどにも同じ作用があり土壌改良の効果があるのです。もちろんダイズやエダマメ、ソラマメなどにもあります。

話しを戻すと、緑肥としてはシロツメクサよりもアカツメクサの方が、寒い季節に株がどんどん増える強い性質があり、冬の土壌改良にはアカツメクサの方が適していると感じました。

アカツメクサの緑肥栽培を開始

今回私がこのアカツメクサをもらって来たのは上の写真の土手からです。夏の雑草が半分刈り取られた後でだったのでアカツメクサを探すのに少し苦労しました。時期は、昨年の晩夏でした。

キュウリの栽培で収穫量などに不満があり、そろそろ真剣に土壌改良をしなければダメかなぁ~と漠然と考えていました。

しかし、秋が過ぎれば気温が下がり思うように緑肥も育ちません。初夏の時点で腐葉土を投入するだけでは心もとない感じがしていました。

はじめ、夏に土手を自転車で走っている時に見つけたカラスノエンドウを緑肥にすることを思いつきました。

しかし、カラスノエンドウは繁殖力が強いのですが栄養がありすぎるのか?土手で見つけたカラスノエンドウには、アブラムシが大量に発生していました。

アブラムシを薬剤で退治することは簡単ですが、家庭菜園の土壌改良には向いていないと判断しました。狭い庭でアブラムシが大量発生しそうで怖くなったのです。またアブラムシが着いた植物には、アブラムシを退治しても病原菌が残留してしまう可能性があります。不要な「害」は自宅の畑に持ち込みたくないですよね。兎角、マメ科の植物には害虫が着きやすいと感じる経験があります。それは、マメ科の植物には葉にも実である豆にも栄養が豊富であるからだと考えます。

一方、カラスノエンドウの隣で、ピンクの花を咲かせていたアカツメクサをみて同じマメ科の植物だし、これなら行けるかもしれないと感じアカツメクサを土手から採取することにしました。

土手の通路の部分に咲いていたので石ころが沢山ある土の上に植わっていて掘り出すのが大変でした。土には水気もなく固くてバサバサ。小さなスコップは折れてしまいました。

掘り出す途中、根っこが切れてしまい大丈夫かなぁ~と心配になりましたが、新聞紙にくるんで持ち帰り一先ず、植木鉢で栽培をすることにしました。

 

 

土手から持ち帰ったので土に他の雑草の種や病気がある場合があります。庭の外から持ち帰った植物は一旦小さな鉢で様子を見てから庭に植えることをおすすめします。下の写真は持ち帰って鉢植えにした直後のアカツメクサです。

思った通りアカツメクサを植木鉢に植えて柔らかく栄養のある土と水を与えると全く関係ない雑草が根本から生えて来ました。アカツメクサに着いていた土手の土に雑草の種子が混ざっていたのです。

また、しばらくするとアブラムシが発生しました。アブラムシを捕殺したり、沢山アブラムシが沢山いる部分を切り取りました。一ヶ月ほど様子を見てからキュウリの畑の隅に移植しました。

キュウリ畑の片隅に定植

秋になりキュウリ栽培が終了してもアカツメクサは元気に花を咲かせていました。一先ず、キュウリの畑はアカツメクサに任せてみることにしました。夏の土手では縦長だった姿が秋から冬の畑では横に匍匐して大きく生長し始めました。

トマトなど他の植物の畑には残渣を混ぜ込んだりして様子をみる毎年の方法をとりました。

秋が深まり、冬が来て庭の植物たちは寒い季節に耐えていました。元気なのは思った通りアカツメクサだけでした。

この冬は暖冬と言うことで、東京の冬には珍しく雨の多い1月から2月でした。何となく猛暑になりそうな2020年が始まりましたが、初春の庭には徐々に花の気配がし始めています。

湿った春が到来・鮮やかに花が咲く

今日は二十四節気の雨水です。雪の季節が終わり雨が降るという季節なのですが、本来ならこの雨水の時期には東京にも雪が降ります。まさに雪が春の訪れるを告げるものなのです。

しかし、今年は湿った冬でした。暖冬の影響は今後の家庭菜園にどのような影響を与えるのか気になるところですが、一先ずアカツメクサの効果を観察していきたいと考えています。

アカツメクサは、冬でもしっかり花を咲かせていました。引き続き春も湿った空気の中、元気に畑の土を耕しています。

プランターの土も土壌改良して再利用

春、4月の半ばには、大きい濃いピンクの花が沢山咲きます。上の写真は開花の様子です。なんと花の大きさはウズラの卵ほどの大きさで、とても可愛いです。見ても美しいアカツメクサで土が元気になります。

プランターの土にもアカツメクサを植えれば再利用が可能です。ある程度アカツメクサが生長したらアカツメクサを鋤き込んで土に混ぜ水と苦土石灰を入れて新聞紙などで蓋をして夏を待ちます。鋤き込む際にはハサミで茎や葉を刻んでおくとプランターでも早めに土に還りますよ。

再利用の培養土を使う時には、日当たりの良い場所で土を広げ日に当て日光消毒をします。そして、古い根やゴミを取り除けば再びプランターの土として使用出来ます。捨てるのはもったいないです。

晩春にはアカツメクサを畑に鋤き込む

畑でアカツメクサを栽培して最終的にはアカツメクサを鋤き込んで夏の野菜栽培に備えます。気温が上がる時期、畑を使う二ヶ月前くらいにしっかり鋤き込めば夏野菜に間に合います。3月か4月に鋤き込むのが良いでしょう。

鋤き込みが遅れてしまった場合は、アカツメクサを掘り出して他の場所に移し、畑を耕すでけでも充分土は良い状態になっているはずです。その際は、腐葉土などを加えましょう。

また枯れた花から種子を取り植木鉢や地面に播いて再び緑肥にすれば土がどんどん肥沃になります。上の写真はアカツメクサの花が咲き終わり枯れた状態です。触ると簡単にほぐれて種子を取ることができます。取ってそのまま蒔けば再び緑肥となります。延々と緑肥を育てることができます。丈夫で手間がかかりません。

アカツメクサを緑肥にする3ポイント

下の写真は植木鉢のまま冬を越したアカツメクサです。地植えのものより葉は小さく花は咲いていません。葉っぱの大きさはシロツメクサのように見えます。

①土手や公園でアカツメクサはタダで手に入る。

②一旦、植木鉢で栽培して害虫や雑草を除去する。

③晩春には、畑の土に鋤き込んで一旦耕する。

アカツメクサを採取する時には、その場所が私有地ではないことを確認しましょう。他人の土地から植物を勝手に採取するのは窃盗になります。ちなみに下の写真は、私がアカツメクサを採取した土手です。夏の終わり、夕方の河原です。

公園などでは、所有者が管理している植物である場合があります。土手などで、明らかに雑草であることを確認して採取しましょう。入手が困難な場合はホームセンターやインターネットなどで種子を購入しましょう。

家庭菜園を雑草や害虫の温床にしないためにも必ず一旦植木鉢で栽培しましょう。畑やプランターに鋤き込む際は、苦土石灰などを混ぜて行います。混ぜた畑の上にはブルーシートを掛けて雨水が掛からないように管理しましょう。

昨年と同じ夏野菜を栽培したい場合は、土壌改良をして連作障害を回避しましょう。特にトマトやナス、ジャガイモなどナス科の植物を育てる際は連作障害に要注意です。

寒い冬にひと手間かけることで夏の菜園は楽しくなります。良い作物を収穫するためには良い土壌が必要です。連作障害を予防するためにも菜園の土は良い状態にしましょう。

今回は雑草のアカツメクサを使って簡単に土壌改良する方法を記事にまとめました。ぜひ、参考にしてみてくださいね。

今回も長文をお読み頂きましてありがとうございます。春から夏に掛けて楽しい家庭菜園を行いましょう。♡香


 

 

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