初心者のための家庭菜園の楽しみ方と始め方
ベランダでも簡単にプチトマト栽培
5月に入ると家庭菜園用のトマトの苗がホームセンターなどで目に入ります。小さなトマトの苗には既に花芽が着いて直ぐに栽培が出来る状態です。園芸の初心者でもトマトの苗を購入して家庭菜園がすぐにスタート出来ますよ。お子様と一緒に花からトマトが出来る様子を楽しみましょう。
園芸に使うプランターには花を育てるプランターと野菜を育てるためのプランターなど栽培する植物によって形状が違います。今回記事にするトマトの栽培では、野菜用のプランターを使用しましょう。トマト栽培のポイントは水涸れを防ぐことと栄養豊富な培養土を使うことです。
トマトの生長に必要な栄養となる肥料をしっかり与えないと旨く生長しません。トマトは実を食べる野菜なので当たり前と言えば当たり前ですよね。また夏野菜のトマトは水涸れしすぎると枯れてしまいます。特にプランターに培養土が少ないと上手く生長出来ず収穫量が減ってしまいます。
ホームセンターで家庭菜園のさまざまなグッズは見るだけでもワクワクしますよね。店先にはさまざまな野菜の苗たちが所狭しと並んでいます。
いろいろ育ててみたい。沢山の野菜を収穫をしてみたいと思いますが場所や栽培経験などをよく考えてチャレンジすると失敗が少ないと思います。何事も経験を積むことで上手く行くようになります。
初心者がベランダやプランターなどで簡単に栽培をして確実に収穫したいならやはり中玉トマトかプチトマトが良いでしょう。
ガーデニングの王道はやはりトマト栽培?野菜の栽培が多くのご家庭でされています。その中でもトマト栽培は、かなりの確率で行われています。非常に人気があり家庭菜園の主役的存在です。
家で簡単に栽培出来るトマトにはさまざまな種類があります。赤や黄色などお好みの種類を選んで栽培出来ます。家庭菜園で完熟させて食べるトマトの味は夏のお楽しみです。
栽培方法も沢山あります。初級者から上級者向けまで奥が深く今回は初心者向けのプチトマトをご紹介します。
プチトマト(ミニトマト)家庭菜園のプランターで失敗が少なくカンタンに栽培できます。プチトマトの若い苗は約20センチほどの背丈です。売られている時には、既に花芽(蕾)がついています。
小さな黒いポットに植付けられた苗をポットから出しプランターや菜園にそのまま植付けるだけで直ぐに始めることが出来ます。時期が早いと蕾がまだついていないことがあります。その場合はポットのまま蕾がつくまで生長を見守りましょう。
プランターに定植後は培養土が乾燥したら水をあげれば花が咲き小さなトマトが沢山実ります。種から育てる方法もありますが慣れていない方やはじめてと言う方にはこのように既に生長した苗を使う事をおすすめします。
良い苗にはパワーと存在感がある
沢山の苗がびっしりとケースに並んで売られています。その中から、これから長く付き合う相手を選ぶのです。パワーがあってこちらにアピールしている良い苗をみつけるのが大切です。
何となく抽象的ですが旨く発芽した若く健康な苗には非常にパワーがあります。私を選んでって訴えてきます。
見た目での苗の善し悪しは葉に虫食いや枯れたり折れた跡がないことです。また萎れていたり葉が変色していないことも重要なポイントです。苗の茎がグラグラとしているものも良くありませんです。
全体的にバランスがよく葉がいきいきしていてパワーを感じる苗を選びましょう。そして、しっかりと水が与えられ花芽がついていることも大切なポイントです。
販売店がしっかり管理していることが重要なのです。せっかく苗の生産農家の方が丹精を込めてもお店で雑な扱いをされてしまうと苗の生長や実のつき方に差が出てしまいます。
順調に生長しているトマトの苗の先には米粒のような蕾がついています。やがて蕾は開いて黄色の花を咲かせます。若干お花が開き始めてからが植え時のサインです。
プランター栽培で簡単に収獲する方法
必要なものは、ミニトマトの苗と野菜用プランターと培養土そして肥料です。良いトマトの苗を選んだらプランターと培養土と肥料を購入します。
売っている培養土は既にpHが調整され肥料も入っているものがほとんどなのでそのまま使えます。
値段もさまざまあり同じ大きさの袋でも非常に価格に差があります。高い培養土だから良いと言う訳ではありませんのでお財布と相談して選んでください。
今回は、お店で一番リーズナブルな土を購入した想定で説明させていただきます。
一般的に安い培養土は25リットルで400円程度で売られています。ホームセンターなどで簡単に手に入ります。次に野菜用の大き目のプランターを用意します。
25リットルの土が入るプランター
お店で必ず野菜用のプランターを選びましょう。深さがありちょっと大き目です。よくあるお花のプランターは浅くて長細いですよね。
野菜用は深いデカいって感じです。高さも30センチほどあるのでかなり大きく感じると思いますが必ず大きめのプランターを用意しましょう。お店で説明のPOPなどを参考に選びます。
出来るだけ大き目のものを購入する事をおすすめします。特に花が咲き実をつけるのですから最低でもトマトの苗1本に対して10リットル以上の土が必要です。因みに10リットルは大き目のバケツくらいの大きさです。
25リットルの培養土を購入しますので苗の数は2本程度になります。勿論1本だけでも大丈夫です。
ただし、プチトマトはプチトマトと同じプランターには同じ野菜を植えましょう。かなりの大荷物です。到底自転車では無理ですので車で買いに行くか何度か通うことになります。培養土はかなり重いので購入の際は気を付けて運びましょうね。
肥料は、化成肥料を購入します
元肥(もとごえ)を用意します。元肥とは植付ける時に土に混ぜておく肥料のことです。化成肥料で充分です。
お店で売っている野菜用の肥料を選びましょう。まず種類を確認します。天然素材や化成肥料にざっくり分けられます。
さまざまな肥料がありますが簡単に扱えて初心者にも分りやすい化成肥料を選びます。ニオイやムシが飛来する心配がなくベランダ栽培に適しています。
野菜にもお花にもと書かれているものや葉っぱの野菜やトマトの肥料などいろいろあります。丁度良いものを選んでください。
葉もの野菜の場合は、葉っぱが育つための栄養が豊富だったりお花のための肥料は花がつきやすい栄養が豊富だったりします。
肥料の三大栄養素は、窒素、リン酸、カリ
窒 素 = 葉っぱの栄養
リン酸 = 花を咲かせるための栄養
カ リ = 根の栄養
育てる植物により微妙に加減するのが良いです。しかし今回は初心者の家庭菜園なので知識として頭に入れておけば大丈夫です。今回のプチトマトではバランスよく栄養素が入っていれば充分です。トマトの肥料などと書かれていれば失敗はないです。
植物は葉っぱで光合成をして花を咲かせて実を充実させます。実は葉が光合成して作り出す栄養によって大きくなります。
その栄養を頂くのですから、葉の生長も根の充実も大切なファクターだと思っていれば充分です。
あまりこだわらなくても問題はほとんど起りません。初心者の家庭菜園ですから難しい問題はほぼありません。
無難にさまざまなモノにも使える肥料をおすすめします。私の定番の肥料は窒素6-リン酸40-カリ6-マグネシウム15です。
効果がゆっくり出る緩効性肥料なのでどのような植物にも使ってしまいます。野菜も花も木にもです。
マグネシウムが入っています。マグネシウムは葉の光合成を助ける成分です。三大栄養素ではありませんが植物の生育に必要な成分です。
分らないときは、お店の店員さんに聞いて購入しましょう。少ないながらも培養土に肥料が既に入っています。あまり神経質に考えなくても大丈夫です。
肥料以上に、栽培に大切なのは培養土の量
肥料よりなにより培養土が少ないとかプランターが浅いのはダメです。初心者の方は、うっかりお花用のプランターを買いがちです。安く買えるのと、これくらいで大丈夫だろうと言う部分が失敗の元になります。
何と言っても、相手は夏野菜です。暑さの厳しい夏を乗り切るためには根を丈夫に育てなければ枯れてしまいます。
また、暑い日は朝に水をやっても土が少ないと水分が不足で枯れてしまいます。ここが最大のポイントです。
野菜用プランターと培養土と肥料とトマトの苗が揃えば家庭菜園のはじまりです。
黄色いトマトの花をこちら側にして定植
トマトの苗をプランターや畑に植える事を定植(ていしょく)と言います。まず、プランターに買ってきた培養土を半分くらい投入します。次に元肥を買って来た肥料を土と混ぜます。
量は肥料の説明を読んで入れてくださいね。肥料が直接根にふれないように良く混ぜます。
苗を植える位置と深さを決める
買って来た時に入っている、柔らかいポットを軽く指で押して茎の付け根をそっと持ち逆さまにすると簡単に外れます。
根がしっかりと土に絡みポットの形に固まっています。この状態を根鉢(ねばち)と言います。この根鉢を崩さないようにそっと定植する位置に仮置きます。
プランターのふちより約3センチほど下まで培養土を入れるようにしましょう。若干余裕を持たせて植付けます。
培養土は、あまり少なすぎてもダメで溢れてもダメなのです。通常、プランターにはふちより下にラインが入っています。そのラインに目安にして培養土を入れれば簡単です。
プランターのふちと高さをあわせてみて苗が必要以上に飛び出していないか?逆に沈んでいないかを確認して残りの培養土を入れます。そっと行いましょう。気を付けて入れてください。
水をあげた時に土が溢れ出るのはダメです。また、根鉢が培養土からせり出しているのもダメです。
プランターに植付けたあとの仕事は?
培養土が、まんべんなく入りプチトマトのお花が同じ向きに向いていれば大丈夫です。
花の向きを合わせるのは、トマトはずっと同じ向きに花芽をつけるので、のちに支柱を立てる時に実や花にぶつからないようにするのと収獲をしやすくするためです。
培養土をギリギリまで入れないのはのちに培養土を足すスペースを残す意味と水やりで土が流れないようにするためです。
これで、育つのを待つのみ
プチトマトはモノにもよりますが株はあまり大きくなりません。通常のトマトの場合脇芽かきと言って脇芽を切りながら育てます。
しかしプチトマトではそれはしなくても大丈夫です。あとは、万が一、風に煽られ倒れそうな時に支柱を立ててヒモでくくります。
棒に厳しく野菜にやさしくヒモでくくってあげてください。モノによっては支柱を立てる穴がついているプランターもあります。
水やりは、土が乾いたらたっぷり
どのような植物も同じですが、水は必ずプランターの下から水が出るまであげましょう。水とともに土の中の要らないものが一緒に排出されます。
水は土が乾いたら朝もしくは夕方にあげましょう。ベランダなどを想定していますが軒がないベランダの場合は、出来るだけ苗に雨が当たらないようにします。基本的に夏場に栽培するミニトマトのプランターには、必ず毎日最低一回は水やりを行いましょう。
水やりの際も葉や花に水がかからないようにプランターの端からそっとあげましょう。苗を濡らさないように気を付けます。
ばしゃばしゃと水をあげると土が跳ねて葉の裏に土がつきます。そうすると病気になることがありますので気を付けましょう。プランターと言う狭い世界で育てているので病気に気を付けて育てましょう。
ほとんどの植物は頭から水を掛けられるのは苦手です。と思っていれば大丈夫。特に花芽がついているときは要注意です。
花は、雨で受粉しにくくなります
旨く受粉出来れば、実が着きます。思っているより簡単に実が成るのが、プチトマトの良いところです。
青い実が着いて徐々に赤くなります。実の完熟具合を見ながら収獲しましょう。追肥(ついひ)の時期は肥料の説明に従ってください。追肥と土寄せはある程度育った時点で行います。
プランターに余裕があるはずですから培養土が減っている部分に培養土を足し追肥をしましょう。通常はじめての実が成ってから追肥となります。
かなり、根が張ります。培養土が自然と減ります。培養土はいったい何処へ行ってしまうのか?と思います。きっと植物が食べているのだと私は思っています。
肥料の粒の大きさでも追肥時期が違います
先程も書きましたが肥料の種類によって与える量が違います。肥料の説明書をよく読んで与えましょう。わかりにくい場合は少なめにして様子を見ると良いでしょう。
窒素分の多い肥料のあげ過ぎはツルボケと言って葉っぱばかり育って実が成らなくなる可能性があります。
あげないのもやり過ぎにも注意です。また適度に風通しがよく陽当たりの良い場所に置いて育ててあげましょう。開花して結実し約30日くらいで収獲出来ます。
置き場所の注意・ベランダは暑い
ベランダで栽培する場合はエアコンの室外機の風が当たる場所は避けます。またコンクリートの床に直にプランターを置くとコンクリートの熱で根が傷む原因になります。
ブロックや木製の角材などを使い床との間に隙間を空けます。ベランダはだいたいが南向きです。陽当たりが良いですが地面からの水分が上がってきませんので水やりや培養土や葉の様子を日々確認することが大切です。真夏のベランダは要注意なのです。
そして熱が冷めない状態のまま朝がきます。まるで熱中症のような状況なのです。プランターに定植したあとは培養土の状態を確認し水やりを忘れずに根付くまで見守りましょう。
夏のベランダでプランターと言う条件です。厳しい暑さから守ることが重要です。大きくなっても、水やりを忘れないでくださいね。
自分で育てる楽しさを体験しましょう
大切に育てたプチトマトを収獲して食べることはとても贅沢なことだと思います。
夏になれば、安いプチトマトが売っていますが家庭菜園の楽しみは「買って食べる」それとは違う意味があると考えます。
そして、育てて開花や結実を体験することは食べる以上の栄養や癒しがあると感じます。
買った方が面倒臭くないし安い!って思う方にはおすすめ出来ないかも知れません。
家庭菜園と言うひとつの楽しみであり癒しで学びでもあります。その分の授業料とお考えいただきたいと思います。水やりをして大切に育て食べると言う体験を家族で行えば、家庭でできる食育になります。
あなたも、ぜひベランダでプランター栽培に挑戦してみては如何でしょうか?得難い感動と次へのチャレンジ精神が生まれることは確かなことだと考えています。
皆様の楽しい園芸を応援いたします。
長文をお読みいただきまして、ありがとうございます。 ♡香
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