春のストロベリーポット。摘むべき花と実の見極め3ポイント

イチゴの受粉状態を見極める方法

満開のイチゴの花を確実に大きく着果させ収穫


満開のイチゴの花が咲くストロベリーポット。しかし、全部の花が大きく良いイチゴになるとは限りません。大きくて形の良いイチゴを沢山収穫するには、摘果と摘花が必要です。

 

 

 

摘花や摘果とは、小さい花や受粉状態の悪いイチゴの実を思い切って、切り取る作業のことです。せっかく花がさいたイチゴなのにハサミを入れるのは躊躇しますよね。

そして、イチゴの花が受粉しているのかいないのか?悩みますよね。せっかく咲いたイチゴの花を切り取るなんて、ちょっと勇気がいるものです。そこで、実際に私のストロベリーポットの画像を見ながら記事にまとめていきます。

私が育てるストロベリーポットは昨年の春には、苗はひとつだったストロベリーポットです。ストロベリーポットは、中央部分に開口部のあるイチゴ専用の可愛らしい植木鉢です。イチゴがランナーで増える特性に合わせて作られたイチゴ栽培が楽しくまた見て可愛い植木鉢です。

昨年の6月には、新しい子苗で幾つかあるポケットはイチゴの苗でいっぱいになりました。梅雨と暑い夏、そして冬を越えた子苗たちが一斉に花を咲かせました。

イチゴの子苗の採取は6月のランナーから

四季成りイチゴのランナーは、真冬を除いて一年中出る傾向にあります。花を咲かせ実を着けながらランナーを出す元気な苺の苗や実を着けずランナーだけ出すイチゴの苗。そしてランナーを出さずに株が増える苗もあります。

 

 

 

どのような場合も元気な苗だからこそランナーを出し株が増えるのです。肥料のバランスや日当たり、水やりなどが上手くできればどんどんイチゴは増えていきますよ。

昨年の春からストロベリーポットで育ててきた二年目の苗が増えてストロベリーポットのポケットにいっぱいのイチゴの苗を定植させることが出来ました。

じっくり一年を掛けて育て、迎えた春はすべてのポケットのイチゴの苗に花が咲きました。

長年ストロベリーポットで栽培をして来ましたが、ストロベリーポット全体360度に花が咲いたのは初めてだと思います。

360度ストロベリーポットは花盛り

晩春のイチゴ栽培では、花が咲き結実して収穫手前といった時期です。しかし晩春は、夏日や寒の戻りなど気温が安定せず寒暖差で人間も風邪を引きやすいですよね。また、乾燥した季節が終わり雨が降る時期でもあります。

急な雷雨や濃霧などで花を着けたイチゴの苗を濡らしてしまうと受粉出来ずにイチゴの実はなりません。せっかく花が咲いたのに残念ですよね。

花が咲き始めたらストロベリーポットは、雨に当てないように管理しましょう。

露天の庭に置き去りにしていませんか?良い実を確実に収穫したいならしっかり管理して更に未受粉のイチゴの花を摘花する作業が必要です。

雨や寒暖差で受粉出来ないイチゴの花

沢山のイチゴの花が咲いたストロベリーポットですが、温度や湿度の関係で上手く受粉出来ない花は、栽培を続けても実を着けることなく枯れてしまいます。

せっかく可愛がったのに残念ですよね。しかしイチゴの花は次から次へと開花します。

 

 

 

新しい蕾に栄養をまわす意味でも未受粉の花を切り取る作業は必要です。では、どのイチゴの花が未受粉なのでしょう?

未受粉で「ダメなイチゴの花」①

さまざまな理由から花が咲いても結実しない花があります。当初は分かりづらいものです。しかし見極め方は、時間の経過とともにわかりやすくなります。見極めに自信がない方は、しばらく様子をみるのが良いでしょう。

何回か経験していくうちにこれはダメだ。未受粉だと見極めることが出来るようになります。

私も何年もイチゴの世話をしていますが迷うことがあります。そしてどうして未受粉だったのか?理由を分析すると大抵は、急に寒くなった日があったり大雨が降ったりとさまざまな理由が思い当たるものです。

また、受粉にはミツバチなどの昆虫の助けも必要です。寒暖差の大きい時期は昆虫も未だ現れません。人工的に筆などで受粉を助ける作業も必要です。

花の真ん中の花托が黒いままの花②

未受粉のイチゴの花は、イチゴの実になる部分・花托(かたく)が生長しません。また、花托は将来的に赤くなり食べる部分になるのですが、小さいまま黒い毛のようなものが目立つものがあります。

イチゴは、花托の上に小さな痩果(そうか)が乗った状態の野菜なのです。痩果は正確にはイチゴの実のことです。

私たちが食べているイチゴは正確には、実ではなく花托ということになります。イチゴは正常に受粉していれば、徐々に花托は緑色に変化し更に白く肥大し最後は赤く熟しイチゴの姿になります。下の写真は受粉が成功したイチゴです。キレイな緑色をしています。

ある程度生長してもいびつなイチゴ③

イチゴがいびつになる理由は先程も書きましたが、受粉がしっかり全体的に出来ていない可能性が考えられます。しっかり人工授粉をしたつもりでも、筆で受粉するのとミツバチは丁寧にくるくると花粉を受粉させるのとでは差があって然るべきです。

また、もともと何らかの障害があって上手く受粉出来ないものもあるでしょう。更に言えば、受粉はしたけれど夜露に当たってしまったり、傷が出来てしまったりと理由はいくらでも考えられます。

 

 

 

いびつなまま生長させるのも一考ですが、私の経験ではあまり美味しくありません。いびつの程度にもよりますが、食べられる部分が少ない場合などは思い切って摘果する方が良いでしょう。

あとから咲く花芽に栄養がまわり結果的に良いイチゴを収穫するチャンスに恵まれる場合もあると思います。

こればかりは、さまざまな考えや思い入れがあると思います。最後の一個がいびつだったとか、どうしても収穫してみたいと強い思い入れがあるなら一度試すことは何ら問題はありません。

イチゴの花托の粒・痩果すべてに受粉させる

形の良いイチゴを収穫するためには、花托の上に乗る痩果(そうか)に受粉させることが大切です。痩果(実)が受粉することで、痩果を生長させる花托が肥大するのです。下の写真は、受粉があまり上手くいかなかったイチゴです。形が少し変です。

ミツバチなどの昆虫が受粉に役立つのは、イチゴの花の中心にある花托のまわりをまわるように花粉を採取するからです。全体的に花托に花粉を受粉させる働きをしてくれるのです。

しかし、ミツバチがいない場合は人工的に筆で花托に花粉を着けてあげる作業をしなければなりません。柔らかい筆などで軽くなでてあげましょう。

季節が進めば昆虫が受粉をしてくれる

暖かい季節になれば自然と昆虫による受粉が出来るようになります。ミツバチだけでなくさまざまな昆虫がストロベリーポットに訪れるからです。

しかし、益虫だけが増える訳ではありません。人工授粉の手間が省けた時間は更に害虫の駆除をしなければならないのです。

せっかく上手く受粉し肥大するイチゴが増えても最後に害虫の餌食になってしまっては元も子もないですよね。

イチゴの葉を食害する害虫

イチゴの葉を食害する害虫は、ほぼ一年中存在します。強靭な繁殖率と生命力で葉を食い荒らします。イチゴの葉を良く観察して食われた跡がある場合はそっと葉の裏を見てみましょう。

細かい毛虫などがいるはずです。ほとんどが飛んで来る蝶や蛾の幼虫で大量に孵卵し葉を食害します。害虫がついた葉は、ハサミを使いそっと切り取りましょう。葉を手荒くむしったり、引っ張ると振動で毛虫が他の葉に飛び散ってしまいます。

大きな振動で丸まって落ちたり、糸を出して飛び出したりする習性がある害虫が多いのです。生き残り戦術とでも言いたくなるような技です。

常々書きますが、自分が食べるイチゴなので無農薬で害虫から守って栽培したいですよね。それには毎日観察することが大切です。

赤くなったイチゴを食害する害虫

収穫まであと一歩のところで食害されるのは本当にイラつきますよね。一番多いのがナメクジやカタツムリです。出来るだけストロベリーポットやプランターの周囲を清潔にして枯れた葉はこまめに取り除くようにしましょう。土の地面への直置きは避けましょう。

 

 

 

また、鳥やネズミなどの小動物が出没する地域では、ストロベリーポットやプランターは、高い位置に置きます。鳥には、防鳥ネットなどを利用すると良いでしょう。

私が住む東京の住宅地では、鳥や害獣はほとんど見かけませんが、ナメクジの被害が一番多いと感じています。

イチゴの根を食害する害虫

根を食害する害虫の代表格は、何と言ってもコガネムシの幼虫です。コガネムシの成虫はイチゴの葉を食害します。更に鉢の中の培養土に産卵して幼虫は苗の根を食害します。何となくイチゴの調子が悪いなって感じると土の中からコガネムシの幼虫が出て来ることがあります。

イチゴに限らずコガネムシの食害を防ぐには、まず鉢の中の土に産卵をさせないことが重要です。鉢の土の表面に培養土の泥跳ねを防ぐためのマルチングをすれば、泥跳ねと同時にコガネムシの産卵の予防にもなります。

畑でもプランターでもコガネムシの被害はよくあることです。出来るだけ土の表面を露出させておかない工夫をしましょう。

ストロベリーポットの場合は、意外とコガネムシの被害が少ないと感じています。それは、ストロベリーポットの構造に関係していると考えています。要は、土の露出面が少ないのです。

ポケットも葉が茂ると培養土の部分が少なくなります。またセンターの開口の部分もコガネムシが入り込む隙間があまりありません。でも、一応、ウッドマルチで防御しています。

イチゴの摘花や摘果には見極めが必要

何度か栽培していくうちに見極める眼力はついてきます。今年が初めての初心者さんの場合は、ドキドキするかも知れませんが、イチゴの苗は非常に繁殖力が強く栽培期間の長い家庭菜園の植物です。

しっかり栽培するうちに見極めがつくようになりますし、苗の数も増えるでしょう。より多くのイチゴの苗を栽培すれば、結果的に形良く大きなイチゴを栽培することが出来るようになります。

一番大切なのは、長い栽培期間イチゴに対しての愛情を持ち続ける気持ちだと考えています。

春夏秋冬。長く楽しむストロベリーポット

ストロベリーポットなら長い年月を掛けてイチゴ栽培を楽しむことが可能です。しかし、ストロベリーポットはどこで売っているのかわからないと言う方も多くいらっしゃいます。

インターネットでも、大型のホームセンターでも手に入ると思います。できれば、実際のストロベリーポットをしっかり見て購入すれば、末永く大切にしていけると思います。

イチゴ栽培は非常に長い期間続く園芸です。長い付き合いが出来るお気に入りのストロベリーポットで、あなたの理想のイチゴ栽培を楽しんでみてはいかがでしょう。

今回は、摘花と摘果をより詳しく記事にしました。ストロベリーポットやイチゴの露地栽培の記事を沢山書いていますのでぜひ併せてお読みください。

今回も長文をお読みくださいましてありがとうございます。♡香


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