家庭菜園で露地イチゴ。12〜1月の管理で大きなイチゴを収穫する

収穫を楽しんだイチゴの苗を越冬

春に向けて苗を労り再び大きなイチゴを収穫する。


露地栽培のイチゴの開花と結実は四季成りイチゴであればからまで続きます。晩秋にも花が咲きイチゴは健気に実を着けようとします。しかし寒い季節が訪れるとともにイチゴは開花して結実しても熟することが出来なくなります。青いイチゴの実を着けたまま枯れてしまうのです。

冬の訪れとともに徐々に気温が下がると結実する環境を保つことが出来ないのが露地栽培の辛いところですよね。イチゴの露地栽培は天候や気温に大きく左右されるのです。

 

 

しかし寒さは次の春にイチゴが花を咲かせる為に必要な試練でもあるのです。イチゴの苗は寒さを感じることで花芽を作るようになるからです。

イチゴを栽培する地域や環境にもよりますが寒くなり乾燥し周囲の木々が紅葉する頃にはイチゴも生長を止めて紅葉し休眠の時期に入ります。真冬の季節はイチゴの休眠の時期となります。

休眠の時期になると葉っぱが小さく縮こまり地面に貼り付くようにペタンとした形になります。春や夏には葉が伸びて、こんもりしていた姿に比べるとまったく元気のない姿です。

そして古い葉は赤く紅葉し直に枯れて行きます。茶色く枯れたイチゴの葉は出来るだけ早く切り取りましょう。

そのままにして置くと腐ったりカビたりします。これも栽培する地域の気候によります。

東京の平野部など温暖な地域では本格的な冬になるのは年を超えてからなので秋から初冬にもカビ害虫への注意が必要です。

冬の厳しい気候変動に注意が必要です

さて、2017年から2018年にかけての冬は非常に寒さが厳しく稀にみる厳冬となりました。ここ数年は気候がいきなり変化することが多く急激な季節の変化が気になります。

冬から夏へと夏から冬への変化がいきなり来ます。春や秋がだんだん短くなっているような気がしますよね。

 

 

特に露地栽培の植物は急激な気候の変化に上手く対応出来ず枯れてしまうことも少なからずあります。

また、秋には大雨が降ったり10月半ばになると一気に気温が下がりました。イチゴ栽培に関して言えば雨を避けることや暖かい陽当たりの良い場所に置くなど置き場所にも工夫が必要です。

大雨が降る場合は簡易的な雨除けを作る

軒下など雨を凌ぐ場所がある場合はイチゴのプランターを一時的に雨の当たらない場所に避難させましょう。

私の場合は軒下にも雨が吹き込むので透明なビニールのテーブルクロスを使って雨を避けています。

壁際にプランターを置いてテーブルクロスを掛けた簡易式の雨除けでも充分雨からイチゴの苗を守ることが可能です。

イチゴ自体が休眠してしまえば雨も雪もあまり気にすることはありません。しかし雨が多すぎる場合は少し注意が必要です。イチゴの苗の状態を観察して判断しましょう。

大雨が問題なのは跳ね返った培養土が葉の裏に付着することがあるからです。葉の裏に培養土が付着するとイチゴの苗が病気になる可能性があるのです。

厳冬期になれば培養土の中の細菌の活動も鈍くなるので真冬はあまり心配はありません。

また冬の間はイチゴの苗が休眠しているので古くなった培養土の交換や植え替えなどの作業が容易に出来る時期でもあります。時間を作って作業をしましょう。

枯れた葉や未熟なままの実を剪定

イチゴのプランターの苗の様子を良く観察します。枯れた葉っぱが赤く紅葉していたり既に枯れていたり新しい葉っぱが出てくる気配がありません。この状況から一旦、仕切り直すつもりで植え替え作業をします。

植え替えと言っても今ある苗の培養土を交換するだけです。もしくは枯れた苗自体を抜いて新しく元気な苗を植え直すなどの作業になります。

用意するものは新しい培養土と暖かい時期に作っておいた新しいイチゴの苗です。休眠中は肥料は不要です。

次に古いマルチング資材を取り除きます

イチゴの栽培に必要なもののひとつであるマルチングに使用した資材を取り除きます。マルチングに使ったものは多分人それぞれ違うと思います。

黒いビニールマルチであったり、ワラであったり私のようにウッドマルチであったりいろいろです。このマルチングを一旦取り除きましょう。

 

 

マルチングをする理由は、葉っぱの裏に培養土が跳ね上がるのを防ぐ意味もありますし乾燥から苗と根を守る意味もあります。

せっかくイチゴが実っても乾燥しすぎて苗がぐったりしてしまうとイチゴの実が熟する前に枯れてしまいます。

また春から夏に掛けて長く栽培するので、さまざまな害虫がイチゴのプランターの培養土に産卵することを防ぐと言う意味もあります。

冬に害虫はもういないと思っていたら実はプランターの培養土の中にコガネムシの幼虫が沢山いたということは、かなりの確率でありうることです。

無農薬で栽培したいのでこの根に巣食う害虫を阻止するためにはマルチングをしっかりすることがポイントになります。

しかし植え替えにマルチングは邪魔なので一旦外しましょう。ビニールの場合はそのまま廃棄してください。ワラの場合は庭の片隅に埋め込んでも良いでしょう。害虫や病気に罹ってしまったイチゴのワラは廃棄処分してくださいね。

私はここ数年ウッドマルチを使っています。カナダからの輸入材ですが隙間なく培養土の表面を覆うことでコガネムシの産卵を阻止できます。

また、使用後は熱湯消毒と日光に当てることで再利用が出来ますので経済的です。東京ではワラがなかなか手に入りません。またワラは購入すると非常に高価です。

ランナーから増やしておいた若い苗を定植

夏にランナーから増やした若い苗があれば、若い苗を定植しましょう。ランナーとは春や夏にイチゴが株を増やす為に伸ばす茎のことです。

ランナーには新しい子供の苗が出来ます。このランナーから増えた子供の苗を使えば次のシーズンも安定的にイチゴ栽培と収穫が出来ます。

暖かくイチゴの生長が活発な時季にランナーから子供の苗を取って育てて置くことも長く栽培することの大切な作業でありポイントとなります。

若い苗が沢山ある場合は古い苗は廃棄

若い苗をしっかり育ててあるなら古いイチゴの苗は思い切って廃棄しましょう。基本的には一年で代替わりする方が良いと言われています。

決して古い苗に実が成らないと言う訳ではありません。しかし、ひと夏栽培したイチゴの苗は害虫から病原菌などを感染させられている可能性があります。

 

 

でも新しい若いイチゴの苗がない場合や植え直す手間が掛けられない場合はそのままでも問題はないと思います。

趣味の家庭菜園なので完璧に行う必要はありません。限られた時間の中でもありますし出来る範囲で行いましょう。寒い時季でもありますので決して無理はしないようにしましょうね。

植え替えのポイントは深植えしない

イチゴの苗にはクラウンと言う苗の中心部に新しい芽がでる場所があります。このクラウンが培養土に埋まらないように浅めに植え替えましょう。

クラウンは新しい若い芽が出て来る部分なので培養土に埋まってしまうと腐ってしまいます。

休眠中の冬には未だ新芽が出ていなくても苗の中心部分が水やりなどで培養土に埋まることがない程度に浅く植えて様子をみましょう。浅く植えると言うのも大きなポイントになります。

休眠中といえども根は非常に深く張っている

イチゴの苗の根は非常に張っていてプランターにぎっしりと詰まっています。植え替えをする時は根を傷つけないようにしっかりと手で抜き取りましょう。

プランターの形状にもよりますが上手くすればスッポリと抜けますし引っかかってなかなか抜けないこともあります。

根気強く丁寧に抜き取りましょう。下手をすると根本からポキっと折れてしまうことも考えられます。イチゴの苗を扱う時はやさしく扱いましょう。

植え替えるプランターは洗って清潔に

イチゴの苗を植え替える時にこれまで使ってきたプランターでも問題ありませんが、プランターの中や裏の部分に害虫が産卵している可能性が大いにあります。中も裏もタワシやスポンジなどでしっかり水洗いしましょう。

また、栽培中に病気に罹ったことがある場合などは薄い漂白剤を入れたバケツなどにプランターを浸けてから洗うなど清潔にしてから使用しましょう。

イチゴ栽培に関わらずさまざまな園芸では病気がつきものです。病気に罹ってしまった植物が植えてあった植木鉢やプランターを捨ててしまうのは簡単ですが、愛着のあるプランターや鉢は出来るだけきれいに洗って清潔な状態にして再利用しましょう。

 

 

季節ごとに植木鉢を洗って干しておけば次回に使用する時にすぐに使えて便利です。暖かい時季にまとめて洗っておくことをおすすめします。

特に病気や害虫の被害が無かった場合は軽く水洗いしてお日様に当てて日光消毒しておくだけで充分です。

イチゴの苗は植え替え、しばらく軒下に

植え替えたらしばらくは、イチゴの苗も大切にする必要があります。毎日様子を見て枯らさないように注意することが必要です。

極端に水涸れすることがないように水やりをします。培養土が乾いたらプランターの鉢底から水が出るまでしっかりと水をあげましょう。

どのような植物も同じですが、根は呼吸しています。プランターの中の古いガスや、要らないモノを水と一緒に流してあげるように水やりをしましょう。表面だけ湿らすのは、ダメですし、葉を濡らさないように気をつけて水やりをしてくださいね。

また大雨や雪にさらさないようにすることも大切です。

植え替えと言う大きな手術をしたばかりのイチゴの苗は根がしっかり根付くまで見守ってあげましょう。葉がしっかりとしている状態が保たれていれば大丈夫です。中には寒さで枯れてしまう苗もあります。

イチゴの冬の管理ポイント・まとめ

①一年間楽しませてくれた苗を労り新しい培養土に植え替える。

②作っておいた新しい若い苗があるなら新しいものを定植する。

③枯れた葉や実は取り除き清潔を保つ。

④マルチングを一旦外して清潔な培養土に植える。

⑤植え替えに際しプランターはきれいに洗い清潔な状態にする。

以上が5つのポイントです。

イチゴ栽培は家庭菜園の中で非常に栽培期間の長い植物です。また繁殖力も強く丈夫な植物です。

大切に育てて行けば延々と楽しむことが出来るので、年を重ねるごとに栽培のコツや注意点が解かって来ますよ。

大切なことは日々見守り害虫や病気が広がらないようにすることです。また暑い時期は水やりを忘れるとすぐに枯れてしまうこともあります。

どのような植物も同じですがプランターや植木鉢と言った狭い世界の中で生かされている状況を考えて、ご自身がお茶を飲む時など大切な鉢植えの水やりをしたかを思い出していただければと思います。

寒い冬がやってきて楽しかった春の収穫などを思い出し、露地栽培で寒さに耐えるイチゴの苗を植え替えて労る作業をしてあげてくださいね。

寒さに耐えることで春には再び沢山の花を咲かせます。イチゴは寒さを感じて沢山の花芽を着ける植物なのです。

多くの花芽が着くと言うことは、大きなイチゴを収穫するチャンスが増えると言うことに繋がります。

多くの花が咲けば未受粉の花が出ても摘果や間引きをして収穫するイチゴを確保出来るということに繋がるのです。

寒い冬の間の地道な作業が大きなイチゴを確実に収穫する近道ということです。ぜひチャレンジしてみてくださいね。

今回も長文をお読み頂きましてありがとうございます。香♡


 

 

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