露地イチゴ栽培。摘果・防虫で大きいイチゴを収穫3ポイント

家庭菜園のイチゴを摘果で大きくする

露地イチゴの実が着いたら行う摘果と間引き作業


露地栽培のイチゴに花が咲き受粉に成功すると約30日で収穫期を迎えます。しっかり受粉したイチゴの花は徐々下を向きはじめ小さな緑色の実になり下に垂れさがります。あとは、実が大きくなり赤く熟するのを待つのみです。

 

 

しかし、中にはさまざまな理由で受粉に失敗し小さいまま上を向いた未熟なイチゴ歪な形のイチゴも出てきます。

上手く受粉できなかったダメなものは諦めて早めに切り落とす決断をしながら栽培を続けて行くことが肝心です。そして防虫・害虫対策、病気の予防も大切な作業です。

しっかりとした摘果・間引き・防虫対策作業で大きく美味しいイチゴを収穫することが出来ます。

また、小さな花で茎の細いものも上手く受粉しても大きく育だちません。あまりに小さい花は早めに切り取りましょう。小さい花を切り取ることが「摘花・間引き」作業となります。

せっかく成った実を切るのは、ちょっと残念ですが、形の良い実をだけを残してダメな実を間引くのです。しっかり摘果と間引きをすることで、美味しくて大きいイチゴを収穫出来るようになります。

それぞれのイチゴの苗の株ごとにイチゴ実の数を減らしましょう。また株の状態によって実の成りが違ってきます。

沢山花が咲いて多くのキレイな実を着けるイチゴの苗もありますし、逆に多くの花が咲いたにも関わらず、ほとんどが結実出来ないイチゴの苗もあります。中には、まったく花が咲かない未熟な苗ものもあります。

この時季に大切なことは、結実出来なかった花芽を切り落とす「摘果」と受粉が旨く行かなかった実を取り去る「間引き」小さな花を切り取る「摘花」作業となります。

また、暖かい季節になり多くの問題が生じます。その問題をひとつずつ解決して大きな実を収穫する方法をご紹介します。

イチゴの花は雨が当たらないように管理

花が咲いたら雨に当てないように天気予報を見ながらプランターの場所を移動しましょう。

もしくは、はじめから雨の当たらない場所で栽培すれば安心ですよね。この時季は、夜中に霧雨が降って気が付かないうちに花が濡れることがよくあります。

空気中の水分過多によって受粉が旨く行かない場合も多くありますし、急激な寒暖差で花が結実出来ない場合もあります。

下の写真のイチゴの苗は沢山花を咲かせましたが、ほとんど受粉が出来ずダメになってしまいました。茶色い小さいままです。

イチゴは寒いと旨く結実出来ないのです。早く咲いた花が旨く結実出来ないのはそのためです。

摘果して大きいイチゴを育てる

結実出来ない理由は、いろいろありますのであまり一喜一憂せずにダメな場合はダメな花を早めにカットしてしまいましょう。

この作業が摘果です。優位な実だけを大切にして栄養をそちらに向けさせるための作業です。

 

 

そして、未だ花が咲き続けている苗もあります状況を見極めて摘果すれば、確実に良いイチゴの果実を収穫出来ます。また苗自体が弱らずに済みます。花を咲かせて実をならすのはイチゴの苗にとっても大仕事なのです

開花時期の苗の管理の記事でもご紹介しましたが、よく観察して毎日チェックすることが一番大切です。

イチゴの病気害虫など多くの問題は、早めに気がつくことで回避出来るだけでなく最小限に留めることが出来るのです。

我が家のイチゴの5月のはじめの状況です。我が家は、東京の東側で寒暖差の少ない地域です。しかし、今年は全体的に寒暖差が激しく人間も風邪をひく人が多い感じでした。

夜露や夜中の霧雨が影響します

昼間は真夏の暑さなのに夕方から急に冷え込む日が続いていました。また、深夜には海からの風が入り込むと霧雨が降ることがあります。この霧雨はインターネットでもキャッチ出来ないほど微量の水分です。

しかし、イチゴの受粉の時季には大きな問題なので夜は夜露を避ける意味でも出来るだけ軒下に置くことやビニールシートを掛けて栽培するなどの雨対策をしましょう。

勿論、遅れて咲いたイチゴの花の人工授粉も必ず行いましょう。柔らかい筆を使って花をこちょこちょするだけです。勢いのあるイチゴの苗は実を着けながらも新しい花芽を次々と出します。

沢山の緑色のイチゴの実が垂れる

いよいよイチゴの花の受粉が旨く成功すると小さな緑色の実が重そうに垂れ下がってきます。

旨く受粉出来た実が徐々に下を向きイチゴの姿が現れます。とても可愛く栽培した人しか見ることが出来ない瞬間と言えるでしょう。

実が垂れ下がると実と苗の間の茎が伸び始めます。この茎は細く折れやすいので注意して扱いましょう。せっかく実っているのに茎が折れたり切れてしまえば、一巻の終わりです。

実が着いたらしっかり水やりをしましょう

徐々に暑くなるこの時季は、水涸れをしないように毎日様子を見て水やりをしましょう。

プランターや鉢の大きさにもよりますが、また、プランターの下に水が貯まる水涸れ防止のプランターの場合は貯まった水が腐敗します。出来るだけ水をしっかりあげて古い水が貯まらないようにたっぷり水やりをしましょう。

また、小さく貯水出来ない鉢や素焼きの鉢を使っている場合もこまめに水やりをしましょう。新しい花芽や新芽が枯れる原因になりますし、成った実の茎が枯れて実がダメになることもあります。

 

 

イチゴの実はほとんど水分ですので水が枯れるとせっかく成ったイチゴの実も大きくなれずドライフルーツ状態になってしまいます。

葉の色や実の数を見て液肥や追肥を与える

葉の様子や実の数を考えて液肥を与えましょう。また、花がいっぱい咲いた鉢には追肥の化成肥料をあげましょう。弱っている苗は葉を見ればわかります。

葉っぱの色が黄緑色になり深緑のイチゴの葉とは違って見えます。下の写真の葉は、色が抜けて葉脈が見えています。追肥をして栄養を与えました。

毎朝、人工授粉をする傍ら葉の状態も良く見てチェックしましょう。毎日見ると問題が起きた時に対処が早く済み被害を拡大させずに済むのです。

では、どのような問題が起きるのでしょう。害虫や水涸れによる新芽の枯れや花芽の枯れ、雑草の侵入などいろいろあります。葉や実の急激な肥大による肥料切れも見かけます。

いよいよ敵が姿を現します

徐々に暖かくなり敵が姿を現します。葉の裏に蛾などが産卵すればたちまち毛虫などが発生します。

毛虫は成長とともに一枚の葉からどんどん広がりすべてのイチゴの苗が食害される危険性があります。そうならないためにチェックが必要なのです。

葉っぱの裏や表面の色をよく見ましょう。怪しいなと思ったら葉の裏などをチェックします。また、何かに喰われた形跡がある場合も必ず犯人を突き止めましょう。

蛾や蝶を見たらイチゴの苗を総点検します

今の時季に多いのはイチゴの葉に着く蛾の産卵と幼虫の食害です。今回もひとつ被害を見つけました。昨日までなかったのにあっという間に産卵され、なんと毛虫がいました。

幸いまだ卵が孵ったばかりだったので葉を一枚処理して終了出来ました。しかし、食害の速さはものすごい勢いです。葉っぱが茶色く網のような状態になってしまいました。

毛虫の付いた切り取った葉は放置せず必ずビニール袋に入れてしっかり口を締めて燃えるゴミに出しましょう。

 

 

ポイントは、昼間に蛾や蝶が飛んでいたり夜に蛾を発見したらイチゴの葉の裏を総点検することです。全部見るのは面倒くさいと思われるかも知れません。

でもあくまで無農薬の家庭菜園ですから細かい作用も楽しみながら行うことでイチゴの栽培のツボを学ぶことが出来ます。

この時季にどのような問題があり如何に回避するのかはご自分の手で行うことで習得出来るのです。そうすれば今年はダメであっても来年は旨く行く可能性が大きくなります。

栽培は一年中続く栽培期間の長いイチゴ

特に四季成りのイチゴ栽培は一年中続く長い栽培期間が特徴なのでいろいろな体験をすることで栽培を旨く出来るようになりますよ。イチゴを可愛がりながら大切に育てましょう。

下の写真は、葉の一部がエカキムシらしきものに食害され茶色く変色しています。

また、気がつくと雑草が芽をだしていました。これも処理しました。栄養を雑草に持って行かれないようにします。

雑草もあっという間に生えてきます。毎日見ていても見逃したり、ちょっとした油断で大きくなります。雑草を見つけたら直ぐに始末しましょう。

摘果のタイミングと見極め方

沢山花が咲いていっぱいのイチゴが成るのは嬉しいですよね。しかし、大きくて美味しいイチゴが食べたいのです。受粉が出来ていなそうな花や実を切り取りましょう。

指で切り取ることも出来ますが、引っ張ると苗ごと抜けてしまうこともあるので、優しく行うようにしましょう。

ハサミを使っても良いでしょう。うっかり間違って大きい実の茎を切ってしまわないようによく見て行いましょうね。

写真は、結実しなかった花です。このような花殻を取り除き栄養を旨く結実出来た実に集中させます。

受粉が旨く行かなかった実はこのようになり形がいびつです。大きくなるものもありますが硬かったり大きくならず種が気になり食べても美味しくありません。

このような実は諦めて早めに切り取ります。もしも、苗がひとつしかないこれが最後の一個というのであれば、多少いびつでもそのまま育てて食べて見るのも良いと思います。

収穫する楽しみを知ることが出来ますよね。失敗してもこれからの季節まだまだチャンスは巡ってきます。

緑から白そして赤く熟すイチゴ

このまま雨を避けて虫を退治しながら実が大きくなるのを待ちます。緑色の小さな実は徐々に大きくなりやがて白くなります。

緑色から白くなった実は太陽の光を浴びて赤く熟します。白くなりながらもどんどん肥大して行くので水やりは欠かさないようにしましょう。

 

 

次第にプランターの周りは甘いイチゴの香りに包まれるでしょう。収穫を終える頃に再び花芽が着き始めるイチゴの苗も出てきます。

また、前回は花芽が着かなかったイチゴの苗にも花芽が着きます。夏に向かいどんどん生長しますので肥料を切らさないようにしましょう。

ランナーが出る苗もあります

イチゴは、種からの栽培も出来ますが、通常は親株から伸びるランナーと言うツルで子苗が増えます。春の収穫を目前にするとこのランナーが出てきます。

また、今回花を着けなかったイチゴの苗もいち早くランナーを出します。夏を前にランナーで子苗を育てることも出来ますが小さい苗は乾燥に弱く害虫の餌になりやすいので夏場は手が掛かります。

どうしても増やしたいと言う場合以外は、ランナーを切って増やさない方が無難です。増やす場合は毎日水やりをしてしっかり管理しましょう。

まもなく季節は湿った梅雨になる

季節は梅雨に入りますます害虫への注意が必要です。特にナメクジやカタツムリは赤くなった実を食害しますので要注意です。出来るだけプランターの周りを掃除してナメクジやカタツムリを呼ばないようにしましょう。

対策としてはプランターを土の地面の上に直に置かないようにします。また、ワイヤーのスタンドなどを使って地面から這い上がれない工夫をすると被害が少なくて済みます。

ナメクジやカタツムリは見かけたら必ず捕殺しましょう。少し気持ち悪いですが心を鬼にして頑張りましょうね。俗に言うナメクジにを掛けると言うのは塩自体が植物に良くないのでやめましょう。

枯れた葉や古い葉は早めに始末しましょう

新しい葉が出ると同時に古い葉は、徐々に下に張り付き小さくなって行きます。下の写真のように葉が下にさがり徐々に枯れて行きます。黄色くなる前に早めに取り除きましょう。

枯れ始めたら根本から抜き取り鉢の中がいつも清潔な状態を保ちましょう。枯れた葉を放置するとカビてしまいイチゴの苗が病気になります。

今回は、こんなに古い葉を抜き取りました。イチゴはキレイ好きなのでプランターや鉢の中はいつもキレイにしておきましょう。

大きいイチゴを収穫する3つのポイント・まとめ

①摘果や摘花と間引き作業を行う

摘果と間引きのやり方はわかりましたでしょうか?未熟な実や受粉が出来なかった実を切り取り良い実を充実させるための作業です。また小さすぎる花を切り取り、寒さや雨で受粉出来ない花芽も切り取ります。栄養を良い実に集中させるために行いましょう。

②イチゴの苗を良く観察する

良く見ることで害虫雑草をいち早く発見して多くのイチゴ苗を病気や害虫から守りましょう。枯れた葉は早めに抜き取りプランターや鉢の中は常に清潔に保ちましょう。

特に暖かくなると毛虫の類が増えてきます。早く見つければ最小限の被害で食い止めることが可能ですので、ぜひ毎日チェックしてみてください。

③水枯れ・肥料切れを未然に防ぐ

これも日々のチェックが不可欠な作業になります。水がちゃんと足りているか葉の色が悪くないかをチェックして対応しましょう。

如何でしょう毎日実行出来るでしょうか?朝と晩にチェック出来るとベストですが時間がなければ、一日一回でも良いと思います。ただし明るい場所で良く見て観察してくださいね。

趣味のイチゴ栽培ですので無理をせずに行いましょう。また経済的であることが好ましいので道具や培養土は値段が高ければ良いわけではありません。何よりも必要なことは、しっかり管理して毎日面倒を見ることにつきます。せっかくのイチゴの苗が枯れてしまえばそこで終わりです。しかし手を掛けることで何十年も続けることが出来るのもイチゴ栽培の楽しいところです。

実際にイチゴ栽培を行い続けることで、大きなイチゴや美味しいイチゴにたくさん出会う喜びも得ることが出来ます。上手く行く年と上手く行かない年や季節もありますがしっかりと気長に頑張りましょうね。

皆様のイチゴが大きくキレイに育つことをお祈りしています。

今回も長文をお読み頂きましてありがとうございます。香♡


 

 

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