
秋、プランター栽培が終了
収獲は旨く行ったでしょうか?
プランターでの家庭菜園が終了したあとの使用した古い培養土はどのように処理していますでしょうか?潔く古い培養土は捨てちゃいますか?最近では、一般の燃やすゴミとして収集してもらえる地域もあります。
もしくは庭の片隅に埋めて何も無かったことにしちゃいますか?家に庭があれば良いですが、マンションやアパートなどの場合は、古い培養土は捨て場に困りますよね。
でも家庭菜園のプランターで一回使った培養土を廃棄するのは、非常に勿体無い話しです。何より不経済ですよね。
病気や害虫など通常問題なく収穫出来ていれば使用済みの培養土も栄養素こそ減少していますが問題なくリサイクル出来ます。今回は、使用済みの培養土をリサイクルし再利用する方法についてご紹介します。
ところで家庭菜園で新鮮で美味しい夏野菜を堪能できましたでしょうか?収獲を終え暦が秋になるころになると徐々に栽培して来た植物の勢いが無くなります。
植物自体の抵抗力もなくなり害虫被害も受けやすくなります。暦の上の秋とは二十四節気の「立秋」のことです。現在のカレンダーでは8月の上旬となります。まだまだ夏の盛りで暑い時期ですが家庭菜園の夏野菜のシーズンもここで一区切りとなります。
栽培中のトマトは、まだ花が咲いているかもしれませんが実が熟す頃には寒くなってしまいます。
また、7月には居なかった害虫も見かけるようになります。葉が害虫に喰われたり黄色く変色した葉が目立つようになります。
野菜の苗自体が徐々に元気がなくなりだしたらお名残惜しいですが、プランターを撤収します。
使い終わった培養土は、燃えるゴミに出す?それとも再生して来年また野菜をつくる?選択肢はふたつです。
ひと夏野菜を育んだ土は、かなり痩せています。何を植えてもダメそうな気がしますが、でも捨てるのは惜しいです。旨く再利用出来るようにリサイクルして、また次のシーズンにも使えたら良いですよね。
そう思われる方は培養土の再生を行いましょう。ベランダや庭の片隅に置き場所があれば来年まで寝かせて来年の栽培に再利用が出来ます。また晩秋までおやすみして違う野菜を作ることも可能です。
使った培養土を再び使う方法
プランター1個分で培養土25リットルの想定です。使ったプランターから栽培した野菜の枯れた茎や葉、根を取り除きます。
畳一畳分ほどのレジャーシートを用意しましょう。もしくは、100円ショップで売っているビニール製のテーブルクロスや雑草除けのシート、園芸シートなどを用意します。そのシートの上に使用済みの培養土を広げます。
作業は、あまり風の強い日や雨の日は避けましょう。出来るだけお天気が良く乾燥した日が良いでしょう。場所は陽当たりの良いコンクリートの上が最適です。
日向は暑いので出来るだけ朝早く涼しいうちに作業を開始します。使用済みの培養土をよくほぐして、土の中のゴミや根を取り除きます。
一度栽培をしたプランターの中にはゴミなど、思ってもいないものが入り込んでいることがあります。良く見て培養土の大掃除をしましょうね。
万が一、土中にムシが巣くっていたら
終了したプランターの培養土の中に棲みついている可能性が高いのはコガネムシの幼虫などです。
夏の間栽培に使った培養土は、コガネムシの格好の産卵場所なのです。万が一、コガネムシの幼虫がいた場合は必ず捕殺します。
どのような害虫でも必ず捕まえて殺してください。殺虫剤は使わないようにしましょう。健康にも環境にも良くありません。せっかくの家庭菜園なので殺虫剤は極力使わないと言うことです。
コガネムシの幼虫は、ちょっと気持ちが悪いですよね。でも見逃す訳にはいきません。スコップか要らない割り箸で除去します。
そのまま殺して土に混ぜても大丈夫です。殺してしまえば何れ土に還ります。自然の摂理です。
しかし、害虫でも殺すのが怖い見るのもイヤであれば、取り除いてビニール袋に入れて燃えるゴミとして捨てます。これもちょっと気持ち悪いですよね。
でも虫も喰わないような野菜より、虫が喰うと言うことは安全な野菜と言えますよね。
幼虫をビニール袋へ入れる。これだけでも充分イヤですね。ビニールの口はしっかり締めます。虫も酸素がなければ生きていられません。酸欠にしてゴミの日を待ちます。
シートに広げた古い培養土のゴミも虫も取れましたら準備が出来ました。培養土の再生作業に移ります。
古い培養土を復活させる
培養土のリサイクル用の復活剤などがお店で売られています。専用の資材を購入するも良いです。でも、なかなか良いお値段です。さらに、お金を掛けるくらいなら捨てた方が面倒臭くないですよね。
ここで、経済的に来年も使用したいとお考えなら、苦土石灰、牡蠣殻石灰、消石灰などのどれかを購入し、注意書きに従って古い培養土に混ぜます。基本的には牡蠣殻石灰か苦土石灰をおすすめします。ホームセンターなどでは苦土石灰が手に入りやすいと思います。値段は比較的安いです。
100円ショップでも購入可能な商品です。しかし、若干割高でなので置き場所があればホームセンターで大き目の袋入りを買いましょう。苦土石灰などは園芸を続ける限り使う資材です。
天然素材の牡蠣殻石灰は、少し高価ですが天然素材ですので安心して使えます。また苦土石灰も非常に扱いやすいのが特徴です。
石灰を使う理由は、日本には酸性雨が降るため土壌が酸性に傾くのを修正しpHを整えるのが目的です。ほとんどの植物は酸性の土を好みません。
古い培養土は、雨に当たってpHは酸性に傾いています。それを中和して生育環境を整えるためにも石灰を使います。
買うのが惜しい方は、おせんべいや海苔に入っている消石灰と書かれた吸湿剤を使っても良いです。
5センチ角くらいのもの2〜3個で大丈夫です。パウダー状の白い粉です。パウダー状なのでご自身が吸い込まないように取り扱いに注意します。沢山は入れないくても大丈夫です。
水分を吸ってかなり膨らんでいるものもあります。乾燥していてまだ、さらさらのものもあります。消石灰は水と反応して発熱します。くれぐれも吸い込んだりしないようにマスクや軍手などを着用して作業をしましょう。
消石灰は、水分を含むと発熱します。手や皮膚につかないようにしましょう。やけどの原因になります。
石灰もいろいろな種類があります。牡蠣殻石灰や苦土石灰などは扱いが簡単で効果が穏やかなのでおすすめです。初心者さんや、新しく買うなら消石灰は出来るだけ避けた方が無難です。
培養土に石灰を混ぜたら風のない日にベランダなどの陽当たりの良い場所で天日干しをしましょう。
太陽熱・紫外線で使った培養土を消毒
培養土を平に広げて表面が乾いたらかき混ぜます。可能でしたら2〜3日の時間をかけて日光消毒をしましょう。
どうしても広げておけない場合は、大き目の黒いビニール袋を二重にし、石灰を混ぜた培養土を入れて日向に置きます。
太陽の熱で殺菌されます。黒い袋の場合は、少し水を混ぜて熱を出させ殺菌します。広げて乾いた培養土は買った時の袋が残っていればその袋に戻します。
買った時の袋が残っていなければ、黒いビニール袋を二重にして入れます。ゴミ用の黒いビニールの袋は、エコロジーのためにかなり薄いので培養土を入れると切れる可能性が高いので扱いに気を付けましょう。
消毒した培養土を入れた袋の口をしっかり締め害虫が入らない様にしましょう。ベランダで保存する場合ゴキブリなどの害虫にとっては、暖かく冬を越す快適な温床になってしまいます。
ゴキブリの棲家にならないようにしっかり口を締めましょう。奴らは何処からでも来ます。
リサイクル作業の終了した培養土は、このまま1.5ヵ月から3ヵ月弱寝かせます。使ったプランターは、しっかり水洗いしておきます。
プランターの裏側や、隅もしっかりお掃除してくださいね。虫の卵やカビなどが付着している可能性があります。
肌寒くなった頃に使用する場合は、腐葉土や完熟の堆肥を少し足すか新しい培養土を半分足して、次はマメ科の植物を植えましょう。ソラマメや、グリンピース、インゲンなどです。シロツメグサ(クローバー)などの植物でも大丈夫です。
マメ科の植物で土を元気にする
マメ科の植物には、根粒菌という、空気中の窒素を吸い込み、土に窒素を増やす物質があります。マメ科の植物で土を肥やし次に植える植物の栄養にします。
しかし、何も植えたくない。来年の夏までこのままという方は、土を一旦、広げて天日にさらし虫などがいないかチェックします。
その後、苦土石灰などと油かす(菜種油などを絞ったカス・肥料)を混ぜ再びビニール袋に入れます。油かすはホームセンターなどで購入できます。
腐葉土もしくは、つるつるしていない広葉樹の枯れ葉などがあれば一緒に混ぜておくと良いでしょう。
このとき、水分がまったくない状態であれば、水を少し混ぜてしっとりさせます。
苦土石灰が培養土を温め油かすが徐々に熟成し栄養になります。枯れ葉も油かすの発酵にともない分解されます。
油かすは、コバエなど虫が寄るので出来るだけ普段は口を締めて、半月に一度くらいかき混ぜます。
夏になるまで土はお休みです
夏に再び使用する場合は、連作障害を防ぐために昨年植えた植物と違う種類のものを栽培しましょう。
特にナス科の植物は連作障害が起きますので避けましょう。トマト、ナス、トウガラシやピーマン、パプリカなどです。
おすすめは、ツルアリインゲン、オクラ、キュウリなどの違う仲間の野菜です。
培養土を長く使いコストパフォーマンスの良い家庭菜園を楽しみましょう。植物自体が持っている力を利用して賢く節約したいですね。旨く使うことで家庭菜園ならではのお手軽でお財布に優しい園芸が楽しめます。
はじめに購入する培養土は、高価なものでなくても良いと思います。ご自分の予算にあった培養土を購入して大切に長く楽しみましょう。また、野菜を栽培した次の年にクローバーの種を蒔くのも良いと思います。
クローバーはマメ科の植物なので先に書いたように土に栄養を蓄える力があります。野菜の次にクローバーを植えてその冬はクローバーの鋤き込み、そのまま石灰と油かすで緑肥にするのも良いと思います。次の年には培養土が栄養豊富になります。
このような方法で長く使った培養土の水はけが悪くなった場合は、赤玉土を混ぜる。また、逆に水もちが悪くなった場合はピートモスを混ぜるなど培養土の状態をみて園芸資材を混ぜるとますます良い培養土に生まれ変わります。ぜひ、お試しください。
皆様の楽しい園芸を応援いたします。
長文をお読みいただきまして、ありがとうございます。 ♡香
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