
スギ花粉減感作療法体験記
シダトレンで気管支喘息の悪化を未然に防ぐ
私は、スギ花粉症の新しい治療法である舌下減感作療法シダトレンを10月末から開始しました。私はこれまで毎年春のスギ花粉症に悩んで来ました。スギ花粉で持病の気管支喘息も悪化して毎年春が憂鬱で仕方ありませんでした。
スギ花粉症と言うと春には多くの方が鼻水や鼻づまり、クシャミ、目、喉の痒みに悩まされます。実は、私もスギ花粉症に悩み、ついに主治医のご指導のもとスギ花粉症克服に挑戦する覚悟をしました。と言うのも私の気管支喘息はスギ花粉に反応して悪化する重症の気管支喘息だからです。気管支喘息でなくても、そうであっても春を楽しく向かえたいですよね。
これからスギ花粉症離脱の体験記を書いて行きたいと思います。ぜひ私の体験をお読みいただきまして、あなたの花粉症対策の選択肢のひとつにしていただければ幸いです。
このスギ花粉症は日本を中心にアジアの一部にしか存在しないと言うことをご存知でしたでしょうか?
日本では1960年代にはじめて認められたアレルギーなのです。理由は皆さんもご存知のスギの木の過剰な植林が原因とされています。
それと東京などの都市部に患者が多いのも特徴です。これは大気汚染が花粉症に関係していると考えられているからです。
しかし海外でも植物の花粉症があります。この減感作療法は海外で成功している治療法の日本版と言うところも注目です。
海外にはスギの花粉症は殆どありません。スギの木が少ないと言うのも理由にありますが、同じような花粉のアレルギー自体は存在します。
ただ、日本で起こっているような一種類の植物の花粉で大量に患者が出るような状況ではないのです。
スギ花粉によるアレルギーに対しては、これまでは完治する為の治療や薬剤はなく対処療法しかありませんでした。スギ花粉症は日本人にとって不治の国民病と言えますよね。
多くの方が罹患し日本では推定で約2500万人もの患者がいます。春になると花粉症の話題が絶えません。ニュースや天気予報などでも花粉情報が取り上げられると言うのは、実際のところ異常事態と言えると考えます。
なぜ完治出来ないのでしょうか?早く治りたいと常々考えている方も多いと思います。
私もスギ花粉症のひとりです。そして、薬が効かない気管支喘息患者でもあります。私にとって花粉症は非常に厄介なものでした。と過去形で書くのも現状では気管支での花粉症は気管支喘息の新薬ヌーカラで抑えられているからです。しかし、上気道の鼻や喉、目で起きる花粉症は未だ改善していません。これも不思議な感じです。
現在は気管支喘息の新薬ヌーカラの効果で喘息の発作も無く暮らしています。かなり生活の質が向上しました。新薬ヌーカラの効果が出始めたのは今年の春でした。同時にスギ花粉症の季節と重なりました。
耳鼻科領域の上気道に残った花粉症
一番顕著に感じた症状は、気管支での花粉症が起きなくなったと言う部分です。気管支で花粉症と言うと不思議に聞こえるかもしれませんが、アレルギーが進行して行くと最後は呼吸器に達し気管支喘息に至ると言う「アレルギーのマーチ」の結果です。幼少期からアトピー体質でした。
鼻炎と気管支喘息は別々の科目なのです
鼻で起こるアレルギーの症状は上気道(耳鼻科)領域のアレルギー炎症です。一方、気管支で起こるアレルギー炎症の気管支喘息は下気道(呼吸器内科)領域の分類になります。病院での科目も違います。
私はこれまでは鼻の症状は耳鼻科に通い気管支喘息は呼吸器内科に通うと言う二箇所に通院する形で治療していました。
私が気管支喘息と診断されたのは約5年前でそれまでは通年型のアレルギー性鼻炎(ハウスダスト・ダニ・ホコリ)がありました。尚且つスギ花粉とヒノキ花粉のアレルギーに毎年苦しんでいました。
こう書き並べるとすごいアレルギーですが通常ひとつのアレルギーがあると単体ではなく多くのアレルギーを併発することは少なくありません。
ハウスダストアレルギーの患者は、花粉症に罹りやすいなどです。気管支喘息の患者にも花粉症患者が多く含まれています。
呼吸器内科で花粉症の舌下薬シダトレン開始
ここ数年花粉症の時期も呼吸器内科で診察と投薬をして頂いていました。鼻炎よりも気管支での炎症が酷くなっていたからです。咳き込んで気管支が苦しくなり発作が起こるような状態でした。
呼吸器内科の主治医の先生からシダトレンの話しをお聞きしたのは、今年の春頃です。ようやく気管支喘息の新薬ヌーカラが効きはじめてきましたが、花粉症で鼻水やクシャミが酷かったからです。先生に「シダトレンを始めるか?」と言われました。
はじめは「シダトレン?」と言う感じでピンと来なかったことを覚えています。ただ、また薬が増えるのかと憂鬱になりました。
先生の説明では毎日少しづつ花粉のエキスを服用することでスギ花粉症が起きなくなる減感作療法と言うお話しでした。あまり薬という感じではなく花粉と考えて、やることにしました。
すぐに始めるのかと思いきや未だ花粉の時期なので開始が出来ないので暫く待つことになりました。気の長い話しです。
主治医の先生の診ている気管支喘息の患者さんに花粉症の方が多く気管支喘息の新薬ヌーカラで効果があった患者さんも多く使っていると言われました。
来年の春に効果を感じたいなら秋にはじめても遅くないと説明を受けました。効果があるならやってみたいと思いました。なにせ気管支喘息の新薬が効果を発揮してアレルギー体質から逃げ出すチャンスを掴んだ気持ちがしていたからです。私は病気の自分が嫌で仕方ないのです。
シダトレンっていったいどんな薬?
シダトレンは薬と言うよりはスギ花粉のエキスだと考えています。正式には舌下減感作療法と言う治療法です。スギ花粉のエキスを少しずつ体に入れて行くことでアレルギー反応を起こさないように抑えると言う非常に地道な治療です。
人の体はアレルゲンであっても少しずつだと反応しないと言うことを利用して徐々に慣らす治療法なのです。
はじめての時は、病院で先生の前で一番薄いエキスを服用します。要は練習をするわけですが先生がiPhoneを出してストップウォッチで時間をはかります。
舌の下に薬剤を入れて二分間我慢して飲み込んで5分間何も飲んだり食たりしてはいけません。
また、アレルゲンを体内に入れるので過剰な反応、所謂アナフィラキシーを起こす危険性があるので30分間は病院内にとどまり様子を見ます。何の異常や変化も無ければ終了して帰宅します。
シダトレンと併せて春に使っていた抗アレルギー剤も処方されました。痒くなったりアレルギーの症状がある場合は使うように言われました。
シダトレンの効果は約80%の確率
約八割の患者に効果があるのです。逆にシダトレンを使用しても約20%の人に効果の出ないと言うことです。またすぐに効果が出る人もいれば効果がなかなか出ない人もいると言うことです。
そして年齢が高いほど効果が出にくいと言うことも言われました。年齢を重ねるといろいろなものに暴露しているし薬剤などを使用しいるからだと説明を受けました。私は50代なのでちょっと心配になりました。
でも私自身は、薬が効きやすい体質だと感じているので多分効くだろうと気合を入れています。こんな時でも前向きなマインドは必要だと思っています。
二週間掛けて濃度の高い薬剤に変更して行く
はじめは薄いエキスを一滴から五滴を一週間掛けて増やしていきます二週目も濃度の高いエキスを一滴から五滴へと徐々に増やして行きます。
二週間経過した後は、パウチされたエキスを一日一回舌の下に入れて二分後に飲み込むか吐き出すというものです。
肝心のお味は、まさにガムシロップのような凄く甘いと感じます。花粉のエキスの量で若干味に違いを感じました。
薄いほうが美味しい?美味しいって言い方も変ですが飲み込み易いと言った感じです。大体、大人がここまで来てマズいから止めたいとは言えませんよね。
アレルギーがアレルギーを呼ぶ連鎖
アレルギー体質の人は、ひとつのアレルゲンから多くのアレルゲンに反応してしまうアレルギーの連鎖を起こしやすいのです。
例えば、春だけの花粉症だった方が徐々に夏のイネ科の植物に反応しはじめたり、秋のブタクサのアレルギーになったと言う話しは多くあります。
ハウスダストアレルギーがスギ花粉症になると言うのも多いですよね。私の場合は、ハウスダストアレルギー(ダニ・ホコリ)からスギ花粉症とヒノキの花粉症へと増幅して行きました。
一時は、スギ花粉症よりもハウスダストアレルギーの方が酷かったのですが、ここ数年でスギへの反応が酷くなりました。ホコリは掃除でなんとかなりますが、スギ花粉は取り除くことは難しいですよね。
シダトレンはスギの花粉のエキス薬
スギのエキスだけ?では、ヒノキには効き目がないのか?といろいろ想像が膨らみます。しかし一番酷いアレルゲンに体が慣れると他のアレルギーも収束するという不思議な説明を聞きました。何となくわかります。
だってアレルギーがアレルギーを呼ぶならその逆もあって然るべきだと考えるからです。
人間の体の中は本当に不思議で面白いですと面白がっている場合ではないですがスギ花粉症が治るとすればかなり生活の質は向上しますよね。何よりも春が来るのが楽しみになります。
憂鬱な春が楽しみな春になる
毎年年末あたりからスギの花粉症がイヤで憂鬱な気がしていました。本当にスギの花粉症がなくなれば非常に春が楽しみになります。寒い季節が終わり暖かい陽射しを感じながら散歩もマスク無しで可能です。
また、花粉症の抗アレルギー剤で眠くなったり怠くなることもなくなります。病院で薬を処方してもらっても、それでもマスクや空気清浄機を使ってかゆい思いをして来たのです。
薬を飲んでも痒かったりする症状が消えるならここに賭けるのは当然のことだと思います。勝率は80%と非常に高い確率の勝負なのです。
効果がしっかり出るためには約3~5年?
個人差もあるそうですが効果がしっかり出るまで止めることは出来ません。長期戦ですが頑張って続けて行きたいと思える治療法です。
なぜなら毎年春に憂鬱になり尚且つかゆい思いをし続けるよりは前向きな生き方だと感じるからです。そして気管支喘息の完治にも続いていそうな気がするからです。
大学病院の呼吸器内科でのレポートに参加
多くの気管支喘息の患者の中で薬が効かない難治性の気管支喘息の患者がいます。通常の吸入ステロイドや抗アレルギー剤の効果が出ないのです。私も同じく薬が効かなくなり新薬のヌーカラを使い通常の生活を取り戻したひとりなのです。
新薬を使わせて頂き効果を得て非常に良かったと感じています。普通に生活が出来るだけでなく何時来るかわからない発作の心配も薄れています。
雨や台風や低気圧などで発作を起こしていたことが嘘のような元気な毎日を取り戻しました。気管支喘息の新薬のレポートにも参加をしました。
そして終了したことで今回新薬ヌーカラを使った気管支喘息の患者のシダトレン使用のレポートにも参加させて頂くことになりました。治療費は実費ですが検査料は大学の研究費から出ると言うことです。
私は通常のシダトレンの治療をしながら血液を無償で大学に提供するだけです。多くの同じ病気の方のお手伝いが出来ると考え参加しています。
スギの花粉症を改善することで気管支喘息が改善すると言うことが目的なのです。ですから呼吸器内科で花粉症を治療しているのです。同時に気管支喘息の新薬ヌーカラも続けています。
何年かの後に気管支喘息も花粉症も私の体からなくなり完治出来る日を夢見ています。
同時に同じ病気で苦しむ人が、少しでも減れば良いとも考えています。私は医師でも看護師でもないので一患者として記事を書くことで役に立てればと考えています。
気管支喘息新薬治療の記事を書いていますので併せてお読み頂ければ幸いです。→気管支喘息は新薬で完治する
この記事をお読みのあなたが気管支喘息ではないとしても花粉症はイヤですよね。
同じく気管支喘息の患者さんで、新薬を使っておられなくてもこの治療に興味をお持ち頂きご参考にして頂ければと幸いと考えています。
舌下減感作療法「シダトレン」まとめ
シダトレンの減感作療法は、長い時間が掛かり80%の確率で効果があるスギ花粉のエキスを使う治療法です。味は甘く毎日毎日続ける必要があります。
また血中のスギに対するアレルギー数値は減りません。でもアレルギーであるのに反応しなくなるのです。不思議な部分ですよね。
保険の適応がされており12歳以上の方が使うことができます。注射ではなくシロップ状の液体を舌下に入れる治療です。
同じ減感作療法で、これまでは皮下注射であったものと同じ治療法ですが注射を受けに病院に行かず家で服用することが出来るのでラクと言えばラクです。
通常一ヶ月に一回の通院が必要な治療で続けることが一番大切です。効果が出るまで三ヶ月から数年と年齢や体質など個人差があります。通常の鼻炎での花粉症の場合は耳鼻科でご相談をしてくださいね。
花粉症で気管支喘息が悪化すると言う方は主治医の先生にご相談ください。
これから春に向けて毎日シダトレンを使います。効果は出るのか?とても楽しみです。毎日忘れないように朝のスキンケアをしながら服用をしています。
なんだか毎日忘れないようにと言われれば言われるほど忘れそうで怖いですがスキンケアをしないで出掛けることはないので朝の支度の時間を選びました。
効果の有無は時期を見ながらまた記事にしますのでお楽しみにしてください。春が楽しみになって来ました。
今回も長文をお読み頂きましてありがとうございます。♡香
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