「暮しの手帖」有名な編集者で女性社長。
小学生で家長となり、生涯独身。なぞが多いドラマ。
NHKのドラマ「とと姉ちゃん」人気がありました。その主人公のモデル、大橋鎮子さんの93年間の人生とは、大橋鎮子さんの人生は、いったいどのようなものだったのでしょう。大橋鎮子さんの生涯は、非常に厳しい時代を自分の足で乗越えたものです。
そして、ドラマでは、語られていない不思議な部分が多いのです。ドラマは、かなりの脚色をされています。
女性が社会に出て働くことが厳しい時代に自ら起業し、苦難の果てに成功をする大橋鎮子さんは、女性の時代を築いた最先端の女性です。
女性の社長。生涯独身など、今では珍しくないですよね。しかし、戦後の混乱期に大橋鎮子さんは、出版分野で起業します。三人姉妹で、手探りで雑誌をつくるのです。
このあたりは、NHKのドラマを観て理解出来ます。しかし、現実では、大橋鎮子さんが、小学生の11歳で、喪主で家長になるのです。
現代なら、お母さんは?って感じです。これは、近代日本に於ける、家長制度が関係?しているように感じます。過去の日本における家長制度をご存知でしょうか?
何となく、引っかかる部分があります。あなたは、違和感を感じませんでしたか?ドラマでは、細かく語られていない部分が気になります。
家長制度が主流の時代背景を意図的に伏せた気配がします。要は、直系の嫡子が家を継ぐ。本来なら長兄が後を継ぐのです。父は亡くなる間際に、大橋鎮子さんに家長を継がせた感じがします。
夫が亡くなった場合、妻は、家長にはなれないと言う問題があったからです。女性に地位がない時代なのです。ドラマでは、父との約束で、とと姉ちゃんが誕生します。
しかし、現代の感覚では非常に不自然ですよね。11歳の小学生の長女が、喪主で家長。父の最後の言葉で、鎮子の人生が決まります。
本当の理由は、家長制度にまつわる問題かと思います。敢て、ふれていないのでしょうか?ドラマには出て来ない部分を探ってみました。そして、ドラマは、静岡からはじまります。これは、単にテレビ局の都合なのでしょうか?
実際は、生まれは東京。育ちは北海道
生まれて間もなく、父の仕事の関係で、北海道を転々とします。因にドラマでは、母の実家が東京の木場とされています。しかし、現実には、東京の木場は、父親の養子先の家だったのです。
父もまた複雑な家庭環境だったのでしょうか、木場の材木商の養子だったのです。しかし、鎮子が小学生の時に他界してしまいます。ドラマで語られるように東京の木場に縁があることは明らかです。
現実では、父は結核を患い療養の末、東京で亡くなります。母と、幼い三姉妹が残されます。戦前に家に男性が居ないと言うのはどれだけ、心細く大変であっただろうと推察できます。そして、太平洋戦争が始まるのです。
大橋鎮子の人生 = 家長の目標は3つ
①「妹二人を嫁に出す」
②「家を建てる」
③「家族を守る」
生涯を通し、父との約束を果たすのです。ドラマの筋書きは、この三つの約束を軸に進んでいきます。ドラマの主人公の「小橋常子」を演じるのは、高畑充希です。私は、このドラマを観るまでほとんど知らない女優さんでした。
まだ、若いので、中年期の設定でも、若く元気なイメージでした。老け役もしっかりこなし、最後は、仕事場でのシーンで終わります。何となく素敵な未来を感じさせる終わり方でした。
戦争中は、農家に食料を買い出しに行くシーンもありました。戦争中の厳しい環境は、ドラマでも時間を割いて語られます。そして、戦後の混乱期を経て、雑誌づくりは始まるのです。
出演者の服装が、時代を感じさせるおしゃれな雰囲気のドラマでした。戦争中と戦後の厳しい経済環境から抜け出すと、一変裕福な三姉妹を感じます。人生の半ばで成功を手に入れた感じがします。
雑誌をつくり、情報を発信
今とは、かなり違う情報媒体の使われ方ですよね。世の中にある、新製品を商品試験と称し、実用実験していくのです。今のようにネットでの口コミがない時代です。かなりパワーが必要な作業です大橋鎮子さんを突き動かす原動力は、読む人の生活の向上だった。
そして、時代とは言え、さまざまな粗悪品が露呈します。批判 = 廃絶ではなく、心ある開発者は、技術の研鑽をします。日本の製品が、世界に認められる根幹を担っていたように感じます。
製品の安全性や、不具合、性能などを公表する義務が希薄な時代に一石を投じた雑誌づくりだったのです。
今では当たり前です。しかし、その当たり前を覆すのは、容易なことではありません。
この国の発展に多大な功績を残した女性
戦争で破壊された庶民の暮らしの改善と復活がテーマで、生活を豊かにが、スローガンになる。長い間続いた大平洋戦争で何もかも失った時代の物語です。
日本の敗戦によって、時代は大きく変わることになるのです。お金、食料、衣服、住居など。さまざまなものがない。衣食住が、なければ、人は暮らせません。しかし、収入の確保もままならない時代背景が、ひしひしと伝わってきます。
戦時中のさまざまな問題は、直ぐには解決出来ず苦労が続くのです。マインドコントロールされていた国民の心の問題にのふれます。戦時中のメディア(媒体)コントロールや情報の隠蔽などです。言いたいことも言っては、いけない時代があったのです。
戦争中は、かなり苦労があったと、私も母に聞いています。戦後の混乱から若者を助けようと海外から宣教師も来日しています。
私の父が、敗戦を経験したのは、10歳の時です。教会の日曜学校に行っていた話しをしてくれました。
敗戦した乱れた状態の中、キリスト教会の活動も聞いています。若者に聖書を渡し布教と居場所を提供してくれたようです。
鎮子と共に雑誌の編纂をする花森安治
花森安治は、戦争中に戦意高揚の広告をつくり広めた人物です。ご存知の方も多いと思います。「進め一億、火の玉だ~!」とか、これを考えた人物です。
聞いたことありますよね。結講、今でも生きています。今なら有名コピーライターと言ったところでしょう。国策とは言え、戦後、それを悔やんでペンを置いてしまうのです。
誰もが、敗戦クライシスを感じ、苦しんでいた時代なのです。でも、鎮子と再会し、新たなる豊かな暮らしのために奮起します。
再びペンを持ち、新しい雑誌の編集長になるのです。今で言うところのアートディレクター的な存在です。そして、記事を書くライターで、編集者でもあります。
イラストを描くイラストレーターでもありました。一人で何でも出来そう?出来る人物だと、推察できます。
日本の敗戦はなにをもたらしたのか?
戦争に負けたことで、日本はアメリカに占領されました。そして、今の憲法は、マッカーサーがつくったものと言われています。日本は新しい時代を迎えますが、当初は非常に混沌としていたと感じます。人々は、迷い苦しむ生活が続きます。
本来なら、天皇制を廃止されても仕方ない状況下でした。日本列島を、戦勝国がバラバラに植民地に出来たと言う話しも聞いたことがあります。そんなこと、ご存知でしょうか?
ヘタをしたら、日本人は、居なくなっていたかも知れません。しかし、そうしなかったアメリカです。新しい憲法を制定しました。勿論アメリカの考えを織り込んだものです。
憲法で、日本が、二度と戦争を出来ない国にしたのです。そして、天皇への忠誠心の強い国民感情を維持する為に天皇制を残します。
それを決めたのはマッカーサーなのです。所謂。憲法9条です。のちに、アメリカは、そのことで悩むことになるのです。日本の高度成長は、憲法9条のお陰とも考えられます。戦争の為に、時間やお金を割かずに済みます。
国際的な脅威からアメリカが守ってくれます。闘わないで経済や商売、研究だけに専念出来るのです。日本は国の繁栄だけに専念する時代がやって来るのです。
新しい憲法で日本は豊かになる
マッカーサーは、アメリカでは、実現出来なかったこと、戦争のない資本主義をつくりたかったのかもしれません。心の弱った日本人のために天皇制を維持しました象徴天皇の誕生です。
国民感情を乱すことなく、軍隊の解体に成功しましたのです。しかし、軍備に関わらないと言うことは、徴兵制もないことになるのです。また、膨大な軍事資金が不要になります。勤勉な日本人基質も重なり日本は経済大国に伸し上がります。
その後、独自の民主主義の中で経済発展が進む
どんどん日本の生活は、安全で豊かになりました。今の状況を、大橋鎮子さんの視点で見るとどう映るでしょう。便利にはなりましたが、それだけなのでしょうか。
スマホで、簡単に情報発信、疑うことも迷うこともなく、本物を見ずに購入出来るシステムが出来上がりました。ほぼすべての商品の安全性が確認されている製品が溢れています。日本製であることがブランドとなったのです。
その反面、スマホでのやり取りで、子供が子供を殺す。こんな時代を「商品検査」して欲しいと思います。
鎮子が、人生を掛けて守り育てたもの
それは「暮らしの手帖」と言えるでしょう。家族以上に、この雑誌を愛しつくりあげたように感じます。それは、紙面の情報だけでなく、読者の生活の質にも反映するのです。そんな内容の詰まった雑誌だからだと思います。
ドラマの中では、常子は、一人の男性を思い続けるのです。実際は、生涯独身だったので、ドラマでも結婚はしない?そんな風に思います。
何かを夢中につくり育てて行くことは、夢中な時間です。それは、あっという間に過ぎると思います。誰にでも味わえる実感ではないと思います。新たな情報を編纂するとは、未来を想像することなのです。
私も、近い仕事を長年して来ました。彼女の時間の経過の早さは、察することができます。
姉妹がいるから頑張って来られた?
ドラマを見ていると、そんな感じがします。妹二人が、結婚をしていきます。
過去に、長女の常子は、初恋の相手に求婚されながら断るのです。時間が経ち、妹たちが嫁ぎ、常子だけは独身のままでした。姉妹とは、同じ境遇に生まれ、ほぼ同じ教育を受けます。
しかし、大人になって同じかと言うと、それはほとんどないのです。一人ひとりの女性の生き方は、さまざまな状況にあるからです。結婚相手ひとつで、人生が変わってしまうからです。
姉妹や母のために会社を経営した女性です。結婚は、しなかったけれど素晴らしく充実した時間を懸命に生きたと思います。他にない人生を、生きた素敵な女性だと感じます。
常に時代の先端を行く女性
大橋鎮子さんは、長寿で93歳に亡くなりました。女性の幸せは、ひとつではないと証明するような生き方です。考え方が、多様化した今の時代でも通用する人生です。
人々の暮らしを思うことで、自らもしあわせになったのです。時代の先駆けとなった女性と言えるでしょう。如何でしょう人生の選択肢は、さまざまあります。
それがあっているか間違っているかは、その場に立ち、いかに闘うかで結果が出ると思いませんか?大切なのは、選択以上に実行する力だと感じます。
皆様の素晴らしい未来をお祈りいたします。
長文をお読みいただきましてありがとうございます。 ♡香
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