2017年 10月 の投稿一覧

夏野菜・連作障害を避け収穫量を増やす。10月の庭土と培養土の再生法。

夏野菜が終わった畑の掃除

使用した培養土の消毒は10月中に済ませる


夏野菜の収穫も終わり近づく冬に向けて庭の畑の掃除は寒くなる前に済ませるようしましょう。収穫の終わったトマトなどまだまだ花が咲いているかも知れませんが、思い切って片付ける時季が来ました。

来年の収穫を増やすために畑の土を耕しましょう。また夏に枯れた花鉢の培養土の消毒法もご紹介します。

2017年の夏もいろいろと野菜を栽培しました。キュウリやトマト、ピーマンです。3月に種を撒いて発芽から定植まで振り返ると半年以上の家庭菜園を楽み過ごすことが出来ました。

園芸の楽しさは毎日生長する植物を観察して生長に応じた小さな気配りをすることです。また開花や結実など収穫までに喜びがあふれているところだと思います。植物も土も生き物です。収穫が済んだら次は土を育てて来年に備えましょう。

あなたの菜園ではこの夏の収穫は如何でしたでしょうか?旨く行って大満足という方も多いことだと思います。また、失敗して残念だった方もおられるでしょう。

 

 

園芸を長く続けると上手くいく年失敗する年は必ずと言って良いほどあります。人為的なミスなのか?それとも天候不順の為なのか?原因がはっきりしない場合もありますよね。

でも、それらの経験は大切な財産となり来年の収穫への希望と糧になることは間違えありません。

特にここ数年は、天候が不順で大雨や猛暑などが繰り返しています。本業の農家の方でさえ収穫が旨く行かないこともあるくらいです。

趣味として楽しむ園芸で失敗があることは当たり前とのんびり構えるくらいで丁度良いと思います。無理は禁物なのです。

二十四節気から作業を割り出す

9月の秋分を過ぎていよいよ季節は冬へと移り変わって行きます。夏の楽しかった家庭菜園もひと区切りをつける時季と言えるでしょう。夏の間楽しんだ家庭菜園の片付けはもう終わりましたでしょうか?

寒い時季にも何かを栽培するのも良いですが、狭い菜園の場合は一旦お休みするのも来年の夏野菜の栽培にとっては非常に大切な期間と言えます。

何しろ沢山の野菜を収穫した後の畑です。土にも休養が必要ですよね。

季節は10月に入り二十四節気の「寒露」を過ぎたところです。2017年の寒露は10月8日です。私はこの日に菜園の片付けをしました。

寒露に行う菜園の片付け

我が家の菜園では、トマトには未だ黄色い花が咲き続けています。トマトは、本来何年も生き続ける多年草の植物なのです。

原産はアンデス山脈の高地で原種のトマトは、実が小さく私たちが現在食べているトマトとはかなり味も大きさも違っているようです。

 

 

四季のある日本では寒い冬を越すことが出来ずに枯れてしまうので一年草の扱いです。

しかし、熱帯地方での栽培温度を調節出来る施設がある場合は、トマトは、延々と花を咲かせ実を結び続け何年も生き続ける植物なのです。

ですから東京の海に近い暖かい場所の我が家の庭では、まだまだ花が咲いて実が成り続けています。新しい脇芽が沢山出てまるでジャングル状態です。

ちょっと目を離した隙きにエラいことになっていました。しかし、直に気温が下がりトマトは枯れ始めます。また、今現在咲いている黄色い花は結実しても赤くなるまでに冬が訪れ苗自体が枯れてしまうことでしょう。

思い切ってトマトを終了する

現状大きくなっている青い実を残しダメな実や小さい実や花は撤収しました。現在大きい青い実は旨くすると赤くなる可能性が未だあります。

終わったトマトの切り落とした茎や葉は、庭の片隅に穴を掘りそこにどんどんと投げ捨てて行きます。お名残惜しいですが毎年の行事のような作業です。

今回は真夏に防草シートを掛けて雑草を退治した場所に穴を掘ることにしました。下の写真がシートを剥がした部分です。雑草は既にありません。

下の写真は残渣を埋めるために掘った穴です。そんなに深く掘っていません。ここに抜き取った茎や葉を入れて行きます。

キュウリの残渣は殆ど残っておらず、枯れた茎だけになっていました。9月に入って直ぐに寒い日が数日続くと直ぐにキュウリは枯れてしまいました。

先ずピーマンの茎や葉、ダメになった実を先ず穴に捨てました。

畑から生まれたものは再び畑の土に還して土の肥にします。植物を育てるには、土壌が元気でないと旨く行きません。来年のためにも夏の栽培のあとは畑の土を労る作業が不可欠です。

最終的にトマトの残渣も穴に入れました。大量の茎や葉を土に還します。

この葉っぱや茎の上に土を掛けその上に更にシートを掛けて終了です。盛り上がっていますが時間とともに凹みます。シートが風で飛ばされないように重石をしておきましょう。

土をベストの状態に戻す作業を早めに進めることは、来年の定植時期をしっかり早めに設定するためにも必要です。

 

 

それは、猛暑が来る梅雨前にキュウリもトマトも結実させて収穫量を増やす工夫のひとつだと感じるからです。

気候の変動で開花が受粉が阻害されている

毎年数日続くようになった熱帯夜猛暑日は、植物にさまざまな影響を与えます。トマトは30度を超える猛暑が続くと受粉が旨く行かないのです。一時的に花が咲かなかったり受粉しない時季があるのはそのせいです。

反面、秋に近づくと再び元気になり開花して結実します。でも完熟まで時間が足りません。日照時間が短くなるからです。

冬が近づくにつれ夜が早くやって来るのは周知の事実ですよね。気温の低下と日照時間は植物の生長にも大きな影響が出ます。秋になりせっかく花が咲いても諦めるしかありません。

ですから早めに発芽させて早めに開花させ収穫を早くすることで収穫量を確保する工夫が必要だと思います。

今年も夏野菜が終わった?でも

まだまだ元気にせっせと花を咲かせ結実しているものがあります。ピーマンです。ちょっとおふざけで種を撒いたのが今年一番の収穫時期を迎えています。食べたピーマンの種があったので苗を作り6本定植して凄い数のピーマンを収穫しています。

あまり期待していなかっただけにびっくりです。まさかこんなにいっぱいピーマンが成るなんてと我ながら驚いています。

ピーマンの料理だと、味噌炒めや肉詰めくらいしか思い浮かばないのですがあまりに沢山収穫出来て実際困っています。感謝して頑張って食べようと思います。

ピーマンは暫く残すことにしました

まだまだ、小さい実が成っていて花も咲いているのでギリギリまで残すことにしました。ピーマンを育てたのは始めてです。昔パプリカを栽培したことがありますが、沢山の実が成らなかった記憶があります。

多分、土が良かったのだと分析しています。今回ピーマンを植えた畑の場所は、数年何も栽培せずに緑肥のクローバー(シロツメグサ)を咲かせていました。

ピーマンを植える前の春に耕し土を作っておいたのです。今年は総じて土の出来が良かった様に感じています。

調べたところ収穫は10月いっぱい出来そうです。まだまだピーマンを沢山食べることが出来そうです。

ピーマンには熱に強いビタミンCが沢山含まれているので煮ても焼いてもビタミンCが壊れません。

 

 

ビタミンCが豊富な上にフラボノイド(ビタミンP)が含まれているため加熱してもビタミンCが破壊されず摂取出来るのです。夏に疲れた肌にも有効なビタミンCは、寒くなりはじめて流行っている風邪の予防にもなります。

美肌と風邪予防、ストレスの緩和にはビタミンCは欠かせないビタミンです。また、βカロテンも豊富で栄養満点野菜です。

季節に合った植物の恵があるのだと感じています。旬の食材が体に良いと言うのは自然に備わった栄養だと考えられますね。

庭の片隅の穴を利用して土を作ります

話しを来年の土作りの作業に戻します。収穫が済んだ植物の残渣(茎や葉)は、庭土の大切な資源です。再び土に還して来年の肥やしにします。

雑草もこの穴に捨ててしまいましょう。雑草の種が心配な雑草の場合、面倒ですが種の部分だけを切り落としゴミに出せば安心です。

米ぬかや油かすでしっかり発酵させることで種も死にます。残渣を埋める時に米ぬかや米の研ぎ汁があれば一緒に撒いておくと発酵しやすくなります。

また、乾いた土の場合は水を掛けておけば腐りやすくなります。まだ今の時季は気温が高いので土中の土壌菌やミミズなども活発に働いているので残渣が土に還るのは早いと思います。

葉や茎以外の根は、ゴミとして捨てます

抜いた植物の根っこは腐りにくいので燃やすゴミとして出してくだい。面倒な場合はそのまま埋めても問題ありませんが腐らずに残る場合もあります。

また、病気に罹った植物や虫の沢山付いたものも埋めずに捨ててください。虫の卵や幼虫など見かけたら全部ゴミ袋に入れてしっかり口を縛り捨てましょう。

要は、菜園の外から来たであろう悪いものを全部追い出すのです。雑草の種は外から来ますが育った葉っぱなどは菜園の栄養から育ったものです。しっかり菜園の土に還しましょう。

トマトなど収穫を終えた畑の作業

一気にやる必要はないですので徐々に土を他の場所に移動します。深さは30センチくらいでよいでしょう。穴が空くと思いますが穴には落ち葉を入れて行きます。

掃除した時に畑の穴に落ち葉と米ぬかもしくは、油かすと苦土石灰を撒いて行きます。この時、米ぬかや苦土石灰をしっかり絡ませるように混ぜましょう。無理な場合は、サンドイッチのように段々にしても良いです。

落ち葉は、穴の口切りいっぱいになるくらい入れましょう。落ち葉は、乾いていると思いますので米の研ぎ汁か水を撒いて湿らせます。その上にレジャーシートなどを掛けて雨を避けましょう。

せっかく栄養のある米ぬかや油かすを撒いて発酵を促しているので、雨ざらしにならないようにします。畑ごと発酵をするもです。

場所があれば他の場所で同じ方法で落ち葉堆肥を作るのも良いですが、春の終わりには畑にこの落ち葉堆肥を畑に戻すので畑の場所でやると楽です。この方法ならトマトなどの連作障害を防ぐことが出来ます。

落ち葉の発酵を待つ

落ち葉を米ぬかや油かす、苦土石灰と水で発酵します。徐々に温度が高くなります。外気温にもよりますが天候が良く暖かいと発酵も進みやすく70℃くらいになることもあります。

ですが雪が降るような寒さだと発酵が止まる場合があります。でも、春になれば一気に発酵が進むのであまり気にしなくて大丈夫です。

心配な場合は、出来るだけかき混ぜ、シートの上に保温出来る緩衝材(ビニールのプチプチ)などで保温すると良いです。要らない毛布なども活用出来ます。徐々に落ち葉は発酵して色が黒くなります。

続いて花鉢の培養土の処理・日光消毒の方法

植木鉢やプランターで育てていた終了した植物の培養土は、防草シートやレジャーシートを使い日光消毒をします。シートの上に使用済みの培養土を広げます。その時、培養土の中のゴミや根っこを取り除きます。

この時季だと雨が多いので、培養土は湿っぽいと思いますが、植木鉢やプランターから出してシートの上に広げてお日様にあてるだけです。

もし、土が乾燥している場合はゴミを取り除いてから少し水を掛けておきましょう。

広げた培養土を日光消毒する時の注意

コンクリートの上で丸一日掛けて日光消毒をします。陽当たりの良い場所を選んで行います。我が家の場合は西側の玄関ホール前でやりました。

出来るだけ涼しい朝のうちに行いましょう。陽当たりが良い場所で作業をすると熱中症の危険があるので要注意です。短い時間の作業ですが、まだまだ熱中症対策は必要です。

野菜用の培養土と花用の培養土は分ける

特に注意することは花用の培養土野菜用の培養土は分けて日光消毒することです。花用には、殺虫剤を使っている場合があるので混ぜない方が無難です。食べる野菜に殺虫剤が混入するのはイヤですよね。

干している培養をは猫よけをする

野良猫などのいる地域では猫を除けのネットを上から掛けておくと安心です。せっかく日光消毒をしているのに猫に糞尿で汚されてはたまりません。

どんな場合でも未熟な糞尿を培養土に入れると培養土がダメになって植物が枯れてしまいます。出来るだけ菜園に野良猫を寄せ付けないようにしましょう。

2~3回この作業を繰り返してしっかり消毒

日光消毒を2~3回繰り返しておくと安心して再度培養土を使うことが出来ます。培養土の状態にもよりますがしっかり消毒をしましょう。

最後の日光消毒の最後に苦土石灰米ぬかもしくは油かすを混ぜておくと良いでしょう。日光消毒が終わった培養土は大きなビニール袋か培養土を購入した時の袋に入れて封をして雨の当たらない場所で寝かせましょう。

 

 

徐々に雨降の日が増える10月後半には培養土を消毒する日が限られますが、もし、時間が取れない場合は、無理をしなくても大丈夫なので冬の間に寝かせて春に行うことも可能です。

再度培養土を使う時の注意と対処

いざ、使う時にあまりに培養土が砕けて細かくなっている場合は腐葉土鹿沼土を混ぜて通気を良くします。逆にパラパラと粘りが無い場合はピートモスを混ぜると良いと思います。

あくまで感覚的なのでわかりにくいですが培養土の状態を良く見て覚えましょう。

また、再利用する時に晴れていれば、今一度太陽の光にあてて苦土石灰を施してから使いましょう。苦土石灰を使用するのは、培養土のpHを中和するためです。

古い土は雨で酸化しているので苦土石灰を使って中和します。殆どの植物は酸性の土を嫌うので忘れずに行いましょう。日本の雨は酸性雨のことが多いので石灰で中和するのです。

私の経験では、再生した培養土に腐葉土を1/3くらい入れておくと培養土の古さを感じることなく使用出来ます。水はけも良くなりますので再利用の場合は、腐葉土を混ぜることをおすすめします。

畑も同じく耕す時は必ず苦土石灰を播く

秋に終了した畑は、秋に掃除をして冬の間休ませる場合は折をみて耕し、真冬には天地返しと言って土を耕しひっくり返す作業をします。

気温が下がる時季に土の中もしっかりかき混ぜで害虫を駆除しましょう。冬の寒さを利用して土の中に潜む害虫を退治する作業は農薬を使わずに虫を退治出来る絶好のチャンスでもあるということです。

ただし、寒い季節は無理をしないように作業をしましょうね。夏同様に厳しい環境での農作業には注意が必要なのです。

また、秋から冬の農作業の時も水分補給を忘れないようにしましょう。体調や気温などの様子を見て作業を進めましょう。

いかがですか?家庭菜園の成功のカギは秋から冬に掛けてのオフシーズの作業が大切ということです。

土も植物も生きています。一年中それらの世話をすることで沢山の収穫が齎されると言うことなのです。一年を通して家庭菜園や園芸を楽しみましょう。

今回も長文をお読み頂きましてありがとうございます。

皆様の来年の豊作を祈っております。香♡


 

 

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体験記・気管支喘息の新薬ヌーカラ使用365日目の効果と軌跡。

kaori の気管支喘息・完治記録⑥

新薬は効果を発揮し、私は再び日常を手に入れた


気管支喘息の新薬ヌーカラを使いはじめて一年が経過しました。気管支喘息の新薬ヌーカラは大いに効果を発揮し、私は幸いにも喘息の発作を起こさずにこの2017年を元気に暮らしています。

この一年365日の間、辛い日が半分と効果を感じて嬉しい日が半分でした。日常生活が問題なく送れると言うことの有り難さは、当たり前の生活を失った者にしかわからない究極の現実です。

天候の変化や気圧の変化などなど、大雨が降り発作が始まる辛さと不安も体験しました。とにかく、雨が降る前や台風には身構えていました。

 

 

私の気管支喘息は発作の引き金となる低気圧の通過を如何に乗り越えるかが常に課題でありストレスでした。

今この記事を書いている間も東京は、台風18号が通過中です。外は大雨で気圧は991.2hpです。ほとんど体調に変化はありません。

ひとりきりの寒い部屋で救急車を呼ぶかどうか悩んでいた日々が、遠い昔のように感じられます。

一年も前の話しではありません。昨年の晩秋から冬に掛けてのお話しです。

実際にヌーカラの効果を感じ始めるまでの時間は非常に長く感じられました。ヌーカラの効果を感じるまでの約半年は、ほんとうに辛かったのです。

発症から3年目くらいから悪化を感じた

振り返ると私の気管支喘息の悪化は、気管支喘息発症から約3年間を掛けて徐々に確実に進行しました。

気管支喘息と診断された当初は、咳と痰の普通の気管支喘息の状態でステロイドの吸入や抗アレルギー剤の服用で治まるものでした。

表面上は回復して、通常の薬さえ使っていれば日常生活に支障は無く気管支喘息であることすら忘れる生活をしていました。一度、減薬も試しました。でも、旨く行きませんでした。

季節が足を引っ張り元の木阿弥になる

特に春の花粉症の時季に喉の奥に違和感を感じるようになりました。気管支喘息の薬と花粉症の抗アレルギー薬を飲んで痰が出やすくなる薬を使っていました。でも痰が絡んで気管支の息苦しさは治まりませんでした。

 

 

徐々に薬が効かなくなり始めました。咳も出ない痰も出ないなのに息が苦しく喘鳴がして、辛くて横にならないといられない状態が続きました。

丁度、仕事探しをしていたのですが、健康面で問題があるので今ひとつやる気が出ずに臆病になっていました。でも、働かない訳にも行かないですよね。これも精神面で非常にキツい状況でした。

使う経口薬が無くなるのに時間は掛からず、気管支喘息発症から4年半で新薬の注射を使うことになりました。主治医の先生の判断で新薬の注射での治療が始まったのです。

新薬の注射を開始する決断

はじめの2ヶ月は新薬ゾレアを注射しました。ゾレアの注射を打った日のことは、多分、一生忘れないと思います。もしかしたら副作用で激しい発作が起きる可能性があると言われたからです。

直ぐに対処しないとアナフィラキシーショックで死ぬこともあると説明を受けたのです。もちろん、病院内にとどまり様子を観察して頂きました。でも、注射の副作用であるアナフィラキシーを起こせば、新薬を使うことは選択肢から消えます。そこも心配でドキドキしました。

全員が全員でないにしても「死ぬかもしれない」って言葉は、あまり聞きたくないですよね。それでも挑戦して今は良かったと思っています。

 

 

こうして私の気管支喘息の新薬での治療はスタートしました。でも、夏の雷雨での発作を機に薬はゾレアから更に新しいヌーカラに変更になりました。丁度ヌーカラが発売されて大学病院に到着したばかりの頃です。

新薬ゾレアからヌーカラへ

このサイトをきっかけに多くの方から地方での治療の状況をメールで拝見する機会を頂きました。すると注射のために遠くの病院へ出掛ける方や、高価な薬価を考え躊躇される方など、いろいろな事情を抱える方々のお気持ちを知ることが出来ました。

東京に住む私の治療環境の良さに感謝したいくらい最新の治療をいとも簡単に受けていたことを感じました。

通常はかなり決心のいる治療法だと言うことです。ヌーカラの注射は高額です保険適応で毎月5万円の出費になります。その他に診察代や検査代、飲み薬などにも当然お金が掛かります。

私は幸い東京都の医療券を所持しており負担なく治療を受けることが出来ました。助かりました。

新薬での治療に踏み切るハードルは低くかった

丁度仕事も辞めて収入のない状況でした。保険適応しても新薬を使うことは不可能です。でも、働くためにも新薬の力は必要でした。私は運が良かったと感じています。

この気管支喘息の新薬であるヌーカラは、4週間に一回の注射を打ち続けると言うものです。4週ごとに病院に行って注射をする。習慣になりあまりしんどいとは思いませんでした。

家から数十分で行ける大学病院で注射をして頂くだけです。そして早く効果を得たいと言う希望だけに突き動かされていました。

新薬ヌーカラとは?

ヌーカラは、白血球の仲間である好酸球と言う物質を減らす効果のある新薬です。好酸球とは、体の中に炎症があるとその炎症のある場所に集まり更に炎症を助長して悪化させる物質=インターロイキン5(IL5)と言うものを呼び込む面倒な白血球です。不思議なのは本来はアレルギーから体を守る好酸球が増えることで気管支喘息が悪化してしまうという部分です。

決して好酸球が悪者ではないはずなのに、体の抗体反応の難しくも不思議な部分です。本来なら好酸球も体には必要な白血球です。

細かく書くとアレルギーにもいろいろな種類があるということです。好酸球が関係するアレルギーの中に気管支喘息が含まれます。ですから気管支喘息で好酸球が高い値の患者に効果があるのです。

 

 

ヌーカラは、血液中の好酸球の値が高い気管支喘息の患者に使われる新薬であると同時に気管支喘息だけでなく好酸球の値が上昇することで悪化する病気の方にも使われています。

ヌーカラで効果を感じても最高量のステロイドを使用

ヌーカラの効果により私は発作を起こさない生活を手に入れました。でも、通常、気管支喘息で使われるステロイドの吸入剤、アレルギーの薬などは、普通の気管支喘息の患者さんが使う最高量の薬剤を吸入して服用もしています。未だに飲み薬などに変化はありません。

でも、多分普通の喘息の患者の方を上回るほどのスッキリ感を味わっていると思われます。

徐々に不安が薄れる日々

私が気管支喘息の新薬ヌーカラを使い始めた昨年8月から約半年は、ほとんど効果を感じることが出来ませんでした。

ただただ不安で低気圧や台風などの通過で発作が起こるのではないか?と言うどうにも対処できない不安の中で生きていました。また、秋から急激に気温が下がった昨年の後半は、薬の効かない気管支喘息の私にとって非常に厳しい気象条件でした。

風邪を引いて発作を起こしたり、大雨が降って息が苦しくなる状態を繰り返していました。ヌーカラを使っているのに何故って思いながら耐えていました。

しかし、ヌーカラを開始して半年目のころ、花粉症が気になる時季に差し掛かると不思議な感覚が出始めたのです。

ヌーカラを打つ前の年の花粉症と打った後の花粉症の症状が違うのです。長い年月を掛けて重症化した私の花粉症の症状が初期症状に戻りました。

花粉症で悪化していた気管支喘息は進行を止めた

毎年徐々に酷くなりつつあった花粉症での気管支喘息がいよいよ進行を止めました。ヌーカラの効果を非常に感じた瞬間です。

昨年の春には花粉症で気管支喘息発作が出る不安にナーバスになっていました。しかし、今年は軽いのです。花粉症自体がなくなった訳ではありません。

でも、花粉が気管支を刺激する咳や息苦しさはなくなりました。鼻水やクシャミなど軽い花粉症の症状で治まるのです。

それまで、花粉の飛ぶ中を外出すると気管支が詰まる感覚があったのに鼻水だけが出ます。息は苦しくないのです。

季節は春になり暖かくなるとさらに効果を実感

徐々に暖かくなると体が自由に動くようになりました。何もする気が出なかった寒い時季と比べ、おもてに出て働こうと思えるように気持ちがスイッチして行く感覚をしっかり感じられました。

季節の変化が体の回復を後押しして分厚いコートを脱ぎ捨てるように体が軽くなり何でも出来そうな気持ちが芽生え始めました。

仕事を探し働き始めることが出来ました

家にこもって買い物に出ることすらままならなかった期間を乗り越えました。毎日寒い部屋で来る日も来る日もパソコンに向かいブログを書くことしか出来なかった日々がありました。

体調が悪く症状が酷い日には、パソコンに向かうこともままなりませんでした。寝たり起きたりの日々です。

暖かくなるのをひたすら待っていた

今思うと黙々と記事を書きながら春を待っていた様に感じます。病院に行くだけが外出の機会でした。辛かったし不安でいっぱいの自分を支えていたのは、主治医の先生のお話しの中から、自分の状態を冷静に判断する方法を学べたことだったと実感しています。

それ以外にも心療内科の先生に相談したり、友人にメールやLINEで励まして頂けたことも大きかったと思います。

辛い時に人の有難味や言葉の大切さを感じた

家からもなかなか出られないし仕事も辞めて収入もない。ただ治ると信じてギリギリの中で生きていました。旨く半年でヌーカラが効果を発揮してくれたことと辛い中でも諦めず仕事に出る準備を進めて来られたことが良かったと今は感じています。

このブログを書き続けて来たことで、仕事のブランクを埋めることも多少は出来ていたと思います。もともとコミュニケーションを仕事にしてきたので記事を自分で書くこともスキルアップとしてカウントして頂ける場合が多分にあります。

最大の成果は多くの方からのコメント

このブログを通じて同じ気管支喘息の方々と交流できたことが最大の収穫となりました。一年に渡り闘病の記録として記事を書かせて頂きました。

ブログと言う形でさまざまな記事を書くと同時にこの完治記録を書いてきました。コメントも沢山頂けてブログ自体も大きく成長できたと思っています。

生活に制限が掛かった状態で学びながら、思いつくままにさまざまな記事を書くことは、そこだけが私の世の中への開かれた窓と感じていました。

無事に梅雨を乗り越え夏が過ぎた

丁度、前回の記録記事の中で次の課題として「梅雨の時季を乗り越えること」と書かせて頂きました。気圧の変化や梅雨の時季が私の気管支喘息にとって一番心配な季節だからです。

ヌーカラの効果は梅雨に勝てるのか?という部分が最大の焦点でした。

季節は走り梅雨の時季に重なり、前回の記事をアップして直ぐに梅雨に入りました。結果としては難なく梅雨も乗り切れました。夏も元気に過ごすことが出来ました。仕事も休まず出勤が出来ました。

この夏は、春から徐々に元の生活を取り戻し菜園で沢山のトマトを収穫することが出来ました。新しい会社で友人も出来ました。一年前とは全く違う場所にいます。

本当に「別世界」を感じることが出来ました

この記事を書く以前に呼吸器内科の主治医の先生に聞いた「別世界だ」と仰った患者さんの話しを私も実感しています。

私の場合は、運良く通常の薬が効かなくなった直後から新薬のヌーカラを注射できました。長くこのヌーカラを待っていた患者さんは多いと思います。

私の気管支喘息の場合は、悪化した直後にヌーカラが病院に入荷したこともあり早い段階で治療を開始出来ました。運が良かったとしか言いようがありません。

確かに別世界にいると思います。残っているのは、辛かった記憶と徐々に減りつつはありますが、いつ発作が起こるかわからないと言う気管支喘息特有の不安だけです。

これは完治なのか?

完治までは行かないまでも日常を取り戻すことが出来たと理解しています。昔は、こんなに普通に暮らすことが難しいと思っておらず息は普通に出来るものと考えていました。病気を通じて健康の有難味を満喫しています。

真綿で首をしめるという言葉の通り、徐々に悪化して来ると発作が起きて始めてやっと自分の気管支喘息は、普通ではない状況にいると実感する訳です。

 

 

でも、薬が効かないのでは、出口が見つからなずに右往左往してしまいますよね。一番辛いのは、苦手な時季や場面で発作が起きることです。この部分は多くの方が悩んでいます。

苦手や大事な時に何故か起きる発作

答えは意外と簡単でした。要は、緊張していたり過敏になっていると発作が起こるのです。年齢的にもストレスが多いですし、ストレスに弱くなります。

私は、生来ストレスに弱く気圧の変化など環境の変化にも弱いタイプなので、それらが気管支喘息を悪化させたと実感しています。

メンタルと体の密接な関係は、長く付き合ったこの体の弱点でもあり、よく理解しています。もちろん、私だけでなく多くの方が同じような症状で悩んでいると言う事実もあります。

気管支喘息のコントロールって?

この言葉は、気管支喘息に罹った時点で病院の質問の中によく出て来る言葉です。旨く喘息をコントロールして発作を抑えて回避出来るようにしましょう〜!というものです。

第一の項目は、しっかり薬を使うことです。掃除をしてアレルゲンを避けることや、生活のリズムをちゃんと管理してストレスを避けることも含まれます。

ただ、あまりはっきりしないのがストレスです。ストレスで悪化するって抽象的です。なにがストレスなのでしょうか?誰でもストレスはあり、なんでもストレスになります。

毎日の通勤だけでもストレスですし、空気の悪さや喫煙者の側にいることもストレスです。

喘息が悪化するかもって考えるのもストレスです。仕事で旨くいかないこともストレスですよね。

抱える問題は人それぞれです

でも一番は、気管支喘息に罹患している事自体がストレスですよね。気管支喘息が故に職場で問題が起こることもしばしばあります。それを咎める心無い人もいるでしょう。

私は、仕事がないこともストレスでした。気管支喘息に罹ったと同時にさまざまな症状で仕事を辞めました。次の仕事を探しながら非常にストレスを感じました。

経済的なことだけでなく思い出すのもイヤなことも沢山ありました。嫌なことを無視しても心の奥底に傷は残るものです。

でも、このストレスから逃れる為には、一時的ではあるにしても重複するストレスにも耐えなければなりません。

でも、ヌーカラで発作を起こすことがなくなりイヤなことがひとつ減ると気持ちが前向きになれました。

この一年は、たかが一年ではありますが、私にとってはさまざまな喜怒哀楽のある日々でした。これから私の気管支喘息がどのように変化していくのか未だわかりません。

気管支喘息は完治できるのでしょうか?減薬の日は来るのでしょうか?私にも全くわからないことだらけです。

今後の治療の流れや症状の変化を記事にして行ければと思います。ぜひ、この記事を共有し、共感して頂ければと幸いに思います。

新薬ヌーカラ365日まとめ

一年を通じ、この気管支喘息の記事を続けていくうちに多くの方からコメントやメールを頂き同じように辛い方が多いと感じました。

そして、私が体験して書いた記事からさまざまな世界が広がった気がしました。記事自体の内容は、感じたことや辛かったこと嬉しかったことなどです。

ヌーカラの効果を感じた瞬間の開放感は何にも代えがたい体験でした。長い時間を掛けて積み重なった負担から解き放たれた瞬間を細かく記しています。

皆さんの質問や不安は、ヌーカラを始めたいが効果はあるのだろうか?など効果の有無です。また、高い金額なども大きな悩みの種となります。

中でも一番多かったのは、このように新薬を使った気管支喘息の治療の経過をリアルに知ることが出来ないことだったと思います。体験したことを詳細に記事にした人間がいないと言うことです。

多分、このように一年の治療をリアルタイムに近いスパンで書いた記事は他にはないと思います。気管支喘息の新薬を使うと決まった時から、記録して残し伝えて行こうと考えました。

通常なら定期的な通院と服薬で普通に暮らせるはずの気管支喘息が薬が効かない状態に陥ってしまう現実があり、徐々に患者が増えていると言う事実がある。

これは、非常に危険で不自由なことです。お金の問題ではなくなるのは頷けます。

特に同じ年代で重症化した方からのコメントが多かったように感じています。体が変化する年代に差し掛かり、さまざまな症状や病気が出てくるものです。

呼吸器内科の病気ですがストレスが影響している病気でもあります。今現在、重症化していない方も空気の良し悪しだけでなくストレスへの対応もされると良いと思います。

今後、どのように病状が変化していくかは不明です。言えることは、今年になって殆ど発作を起こしていないと言う事実と花粉の時季も梅雨も真夏も元気に動くことが出来たと言う実績が出来たと言うことです。

ただ、心の傷が残っているようでストレスが胃に出て胃酸過多を起こしました。仕事のことや何時発作が起こるのかと気に病んでいると胃酸が沢山出てしまいます。

大量の胃酸は食道を逆流して喉のあたりを刺激します。すると気管支喘息の発作のような息苦しさが起きます。要は勘違いの発作?状態です。

呼吸器内科の主治医の先生に相談したら意外とこの症状の患者さんが多いと伺いました。一先ず、胃酸を抑える薬を飲みました。効果があまり感じられず、更に心療内科の薬を使って回復しました。

この時も、自分のストレスに対する抵抗力の無さに翻弄された気分でした。人それぞれ弱点があります。そこをめがけて病気が出てくるものです。

私の弱点は神経質で細かいことを考えてしまうことです。でも細かいことを気にしないと務まらない仕事を生業にしてきました。逆に言えば、細かいことに気が付けないとならないのです。

人には持って生まれた役割があると思うのです。ここで記事を書くことになったのも何かの役割を与えられているのかと感じます。

私にとっては、ヌーカラは救世主になりました。効果は何時まであるのか?その他の薬は減薬出来るのかが、今後の焦点となると思っています。そして、これから冬に向かい私の気管支喘息行方は、未だわからないことが多いです。

気管支喘息は新薬で完治出来るのでしょうか?今の状況は昨年とは、確かに別世界です。でも納得の行く段階ではありません。次の段階がいかなるものかを引き続き記事にしていきたいと考えております。

今回は、新薬ヌーカラを使っての365日を振り返ってみました。長文になりましたが、最後までお読み頂きまして誠にありがとうございます。


2020年2月の状況報告

ゾレアからヌーカラの注射を経て、現在、二ヶ月に一度のファセンラに注射は移行しました。

ヌーカラからファセンラへの変更は、薬剤が徐々に効かなくなってきたからです。

新薬に変更すると一時的に非常に体調が良くなり、生活の質は向上します。運動をしてもお天気の変化も気にならないほどでした。

しかし、時間の経過で効き目に変化が出るのです。しばらく続けたヌーカラから、ファセンラへの変更は、主治医の先生からの提案でした。

二ヶ月に一度の注射で既に半年以上が経過しています。現在ファセンラの効果で血液中の好酸球値は、0になっています。

好酸球が体内から無くなる状態を維持しているわけです。気管支喘息の悪化に関わる好酸球ですが、0値というのは、良いのだろうか?健康面が心配ではあります。本来体に備わっている白血球のひとつが、0値な訳ですから問題が全くない方がおかしいですよね。

主治医の先生の判断や、現在の生活環境では、好酸球が無い状態でもなんら問題はないということで経過を見ています。

健康面では、普通の人以上に元気に体を動かすことができます。大好きなサイクリングも日に20キロの道のりを普通に漕ぐことができます。ロードバイクでスポーツを楽しんでいます。

運動による息切れはほとんどありません。しかし、ストレスを感じると息苦しくなります。自分でも理解し難い状態でもなんとか日常生活や仕事を頑張っています。

これからも気管支喘息を乗り越える努力を重ねて行きたい。治らないと言われる大人の喘息を克服してみたいと考えております。

末筆になりますが、ここまで支えてくださった呼吸器内科の主治医の先生をはじめ心療内科の主治医の先生に感謝いたしたいと思います。また、多くのコメントをくださった読者の皆様にも感謝いたします。ありがとうございます。♡香


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